62日目 魔王専用のお仕置き
メルトたちが提案した長風呂を却下して風呂に入り直し・・・部屋に戻るとメルトが待っており。
何やらもじもじしながら、小さな声で謝り・・・定番なツンデレ口調をかましながら出て行く際にハルトは少しだけなら長く入ってもいいと言うと。
メルトは喜びながら部屋に戻って行った。
「アイツ・・・なんだかんだで素直なようで素直じゃないな・・・・」
「で、どうだったんですか謝り作戦は???」
「そりゃ、ちょっと悪かったような顔して謝ればいちころよ!!明日から長風呂が文句言われずに入れるわよ!!!」
この最後の2人の言葉を聞かなければとても明日が迎えられていたものの・・・ハルトは部屋を飛び出して2人にさっき言っていた事を問いただし、部屋に戻ると外は少し明るくなっており、ベッドに辿り着くとハルトは深い深い眠りに落ちて行った。
そして 数時間後・・・・ハルトを起こしにメルトとキルりんがやってきた。
「ハルト!!!いい加減に起きなさいよ!!!今何時だと思ってんのよ!?
それに、私たちを餓死させる気なの??」
「ほら、ハルト!!!朝日は昇ってるんです・・・朝食を食べた後は依頼を受けて稼ぎに行きましょうよ!!!」
「お前ら・・・誰のせいでこうなってんのか教えてやろうか???
ってか、同じように寝たはずのお前らはどうしてそんなに元気なんだよ・・・・」
メルトとキルりんはシャキッとしないハルトを洗面台に強制連行し、外で待ってるからとだけ言って出て行ってしまった。
そして、ハルトはゆっくりと身支度を整えて外に出ると・・・熱さでやられたメルトとキルりんが倒れていた。
「おい、早く行くぞ・・・魔王も、オッス・・・・んじゃ出発。」
「あぁ、おはよう。
ハルト・・・2人をあのまま放置していていいのか??苦情とか言われないか??」
魔王にへーきへーきと言っている側から・・・メルトとキルりんはハルトたちが移動していることに気付くと猛ダッシュで追いついてきた。
「何、私たちだけ放置して勝手に出発してくれちゃってるわけ!?」
「そうですよ!!!それに2人だけで朝食とかそんな夫婦みたいなことはさせませんよ!
あ、別に私はハルトをそんな風には思っていませんので。
ただ・・・そうですね~~ハルトがどうしてもというのであれば・・・・・・あ、ちょっと!?どうして無視すのですかぁ!?!?聞きたくないのですか???ねぇ?」
「いや、朝からこんなに暑いのにお前らは元気だなと・・・・」
「全くだ・・・服の密着が何とも言えない感じだな。
これが外での夏・・・・城の中では味わえなかった夏の真の熱さだな。
だが、この熱さも・・・・嫌いではないがな!」
魔王は服をパタパタとさせながら語り・・・その際にチラチラと覗かせる谷間が見えていたが2人に何を言われるかわからないと無視して酒場に突入した。
「いらっしゃ~い・・・今日も暑いねぇ~~
と、言う事で・・・ウェイトレスのクールビズ入っちゃいま~す。」
「おい、メルト・・・これって熱による幻覚じゃないよな?」
「そうね・・・だけど店内水着のウェイトレスしかいないってどうなのよ??」
「ムム~~どれも私よりも数倍以上大きいですね・・・みんなキル候補ですよ。」
「キルりん何を物騒な事をノートに書き込んでいるんだ・・・・それよりもメニュー表は・・・」
メニュー表がない事にウェイトレスが気付くと・・・すごい水着を着たウェイトレスが谷間に挟んだメニュー表をハルトに差し出し――――――
「メニュー表をどうぞ・・・・」
「なんだ・・・この、危ない酒場・・・・別料金発生とかしないだろうな!?
水は無料だよな!?」
「ハルト、アンタのチキンなハートはどうだっていいからメニュー表を寄越しなさいよ!!!たかだか乳に挟んだメニュー表を取ったくらいで何を興奮してんのよ??バッカじゃないの???」
「メルト、ハルトはバカですよ?それよりも私は・・・いつものAセットでよろしく頼みます!!!」
「それじゃ、私は・・・ホッとサンドをもらおうかな。」
ハルトたちもウェイトレスに注文をすると・・・すぐに商品が運ばれてきたのだが・・・・・
「キャァッ!?足が何かに持っていかれて飲み物がぁ~~~
大丈夫ですか!?ハルトさん!?お茶をぶっかけちゃって・・・・ごめんなさい。
綺麗に拭きますので待ってて・・・・」
「いや、だだだだだ大丈夫だ!!!大丈夫大丈夫!!!ホラ、これだけ外は熱いんだ・・・・走っていれば勝手に乾くから気にすんな!!!!」
「何だかハルトの対応が妙ですね・・・・いつもなら文句の1つも言うはずなのですが・・・・・実に怪しいですよ。」
「で、キルりんは過ぎ去るウェイトレスを睨みつけすぎよ?
少しはそのノートを置いてゆっくり食べなさいよね・・・・・」
「この場合で考えると・・・ハルトはお茶をぶっかけられる趣味があるのかもしれないな???
何事もモノは試しと言うし・・・・ハルト!!私のお茶を受け取るがいい!!!」
魔王はお茶をハルトにぶっかけると・・・ハルトは髪からお茶を滴らせながらそう言った趣味はないと言うと、魔王は必死に謝りながらハルトの体や頭をぽんぽんと吹き始めた。
「本当にすまなかったハルト・・・私のタダの発想から試したばっかりに。
本当にすまなかった。」
「そんなに謝らなくていいが・・・どうしてこの2人は目が血走ってるんだ???」
「へぇ~魔王にはそんなに簡単に許しちゃうのに・・・私たちには凶悪なグリグリをするってどうなのよ?ハルト!?ねぇ!?」
「そうですよ!!!これだけ無茶したのですから魔王にもそれなりのお仕置きが必要だと思いますよ!!!!ハルトの大好きなグリグリとか!!!」
2人の怒りの矛先はハルトが魔王に甘いと言うところに向けられており・・・ハルトはそう言うのであればと、魔王にお仕置きをすると言うと。
「お、お仕置き・・・・そうだな・・・私は悪いことをしたのだ・・・ハルトが気が済むまでお仕置きをするがいい。
私は逃げも隠れも・・・喜んだりしていないからな!!!」
「いや、魔王・・・スッゲェ笑顔なんだが・・・・この2人とは違ってやり辛い。」
「ヴゥ・・・そうね、これはお仕置きと言うよりはご褒美?というモノになっちゃうのかしら???
だったら・・・ここは魔王が朝食代を払うって言うのは―――――」
「メルトそれはちょっと違いますよ?それはただのイジメです・・・それに、食費を節約しても微々たるもので何にもなりませんよ???
それに魔王の行為がその程度で済ませるのであれば私たちの日々受けてるグリグリはどの程度かわからなくなってしまいますよ???
ですからここは・・・もっと、魔王にダメージの入るやり方をですね。
ハルトちょっと耳を・・・・ごにょごにょごにょ。」
キルりんはそう言ってハルトに魔王の仕置きを話すと・・・ハルトは大丈夫か不安な顔で魔王にお仕置きを開始した。
「えっと・・・魔王・・・これ以上悪さをするんだったら・・・魔王城にか、帰ってもらうぞ??」
「なッ!?そ、それはあんまりだ!!!ダメだダメだ!!!それだけは絶対にダメだ!!何でもするから・・・私、何でも言う事を聞くから窮屈なお城に戻さないで欲しい!!!お願いだ・・・・」
「ちょッ!?キルりん、ハルト・・・コレやり過ぎじゃない??グリグリよりもエグイ気決めなんですけど??これ・・・トラウマにならないかしら・・・」
魔王は今までに見せた事がないくらい錯乱し・・・テーブルに額が赤くなるまでぶつけながら謝っていると。
周りにいた同業者たちに変な目で見られ始めていることに気付くと、魔王に慌てて全員でフォローして慰めた。
「うぅぅ・・・ヒック・・・本当に帰らなくていいんだな?本当の本当だな!?嘘じゃないんだな!?」
「あ・・・あぁ・・・その、言い過ぎた・・・色々スマン。」
「だから、ハルト!!!そういう魔王に甘い所がダメなんだってば!!!
いつになったら学習してくれるのかしら???全く、ここはハルトのおごりで・・・って言う事で勘定よ!!!」
「メルトはまた好き勝手に・・・ですが、まさかあそこまで泣き叫ぶくらいに嫌だったとは・・・・まぁ今後は言わない方がいいですね。」
メルトは勘定をハルトに勘定を払わせると・・・魔王の気分転換にと魚釣りの依頼を受けて川に向かって行った。
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