50日目 国が違えばギルドも違った
翌日・・・ハルトが目を覚ますと、なぜかメルトはハルトにくっ付く形で寝ており。
早くどかそうとしたが、寝ているメルトの手は強く・・・どうしたモノかと考えていると、メルトは目覚め。
寝ていた状況を把握したメルトは朝から強烈な電撃をハルトに決め、プンプンと怒りながら部屋から出て行き魔王たちを連れて部屋に戻ってきた。
「メルトから事情を聞いたのだが・・・何でもハルトがメルトに対して色々な方面での暴力を行ったとか??
それは本当なのか?」
「お前らも寝起きかどうか知らんねぇけどさ?
俺がメルトに手を出すと思うか?このオカルト女だぞ?ナイナイ・・・」
「それもそうですね・・・・で、メルトは寝ている時に何か覚えている事とかありませんか?
トイレに行ったとか、カエルを捕まえに外へ出たとか・・・・何でもいいんですが。」
「それもそう・・・ってどういう意味よ!?それに、この見ず知らずの街でそんな変なことするはずないでしょ!?
私は確実にハルトと寝ていたのよ!?絶対、ハルトに襲われたのよ!!」
メルトの必死の言葉も虚しく・・・メルトの寝ぐせの悪さが原因として今回の騒動を処理してから宿屋で朝食をとっていると―――――――
「朝食が済んだらどうするんだ?また、銭湯に行くのか?」
「そうだな、俺はこの街をぶらぶら観光するつもりだが・・・キルりんたちはどうするんだ?」
「私は銭湯の方に用事が――――――」
「またあの温泉に入る気ね・・・キルりんも懲りないわね~
ん~予定ね・・・それじゃ私もハルトに付いて行こうかしら。
―――――――――どうせ暇だし。
当然、付いて行けば何か奢ってくれるでしょ?」
目をキラキラさせながらねだるメルトの顔をぎゅっとつかみながら、魔王にどこか行く予定があるのか尋ねると。
「私もハルトとぶらぶらを共にしようかな。
あの温泉は何かとトラブルのもとになるし。」
「そふときまれふぁ、いひまひょ!!!(そうと決まれば行きましょ)」
「ハイ、私は適当に銭湯に入ったら街に向かいますのでごゆっくり。」
「のぼせるまで入るなよ?迎えに行くのが面倒だからな。」
今日の予定が決まると・・・キルりんと別れて行動を開始し。
キルりんは銭湯城へスキップしながら向かい・・・俺たちは街の観光を開始した。
「ハルトよ、新たな街とは良いものだな。
元々墓場で生活していた身だからこそ新鮮で美しいと思う。」
「そうか・・・バロンが喜ぶのは分かるんだが・・・あのメルトのテンションの上がり方はどう思う??」
「ヤッホー出店があるじゃない!!おっちゃん!!!その焼きそばを1つとシュゴビーもよろしく!!!」
「おいおいメルト・・・昼間から酒とはダメだと思うのだが?」
「はいよ、お待ち!!!代金は760ゴールドだ。」
メルトは焼きそばとシュゴビーを受け取ると、こちらをずっと見続け・・・仕方なくゴールドを代わりに支払うと、メルトは美味そうに焼きそばとシュゴビーを食べ始めた。
「お前・・・観光というより立食いしたいだけじゃねぇのか??」
「そんなわけないじゃないの!!私を誰だと思っているの??
この偉大な魔導士・・・メルト様に向かって―――――」
「焼きそばとシュゴビーを食べながら言われても説得力のかけらも感じないのだが・・・・ん?アレは・・・この街のギルドの旗か?
フム、少しギルドを覗いて見ないか?」
特に行く場所もぶらぶらしたいと言った場所もあるわけでもないことから、3人はガイゼル王国のギルドを目指して歩いて行くと。
「これはすごいな・・・アップダウン王国とは比較にならないくらいの大きさだ。」
「そうね・・・どうしてあの王国のギルドがあそこまでボロ家なのか不思議なくらいね。」
「それだけこの国はギルドに力を注いでいるって言う事だろ?
こういう小綺麗なギルドはゴロツキ系の冒険家というより、清楚でプライドの塊みたいな冒険家やハンターがいるのがセオリーだ。
まぁ、入ってみるか。」
ハルトはギルドの扉を開き、大きなギルドハウスの中に入ると・・・・
「ほらな?俺の言った通りの良い装備を付けたボンボンばかりだろ?」
「あんな丸々した体で狩りに行ったらエサにならないか心配だわ。」
「そうだな・・・と、言うより・・・みんなが私の角をジロジロと見ているのが気になるのだが?」
「やぁ、そこのお綺麗な女性の方々・・・どう?よかったら僕とPT組まない?」
「いやいや、この子猫ちゃんたちはボクのPTに入るべきだ。
特別報酬と美味しい食事も付けてあげるよ?」
1人の小綺麗な見た目をした男が魔王に声をかけると・・・また1人また1人とハルトを無視した勧誘を行い始めたが・・・・
「ほら、ハルト・・・次に行くわよ?ここは私たちの知っているギルドじゃないわ。」
「うむ、メルトの言う通りだ。
このふざけたギルドの見学は済んだんだ早く空気の良い外に行こう。」
「お前ら地味に悪口言ってないか?」
「聞き捨てなりませんし、どうしてここにいる美男とPTを組まないと言うのですか?」
「そうです、断る理由があるのならお聞かせ願いたい。」
男共がPTを組めない理由を知りたいと言いながらメルトたちの前に立つと・・・メルトたちはついに本音をぶちまけ始めた。
「アンタ達みたいに金だけで生きてきた苦労を知らない男に私は興味なんてないわ!!!それに、金はあった方がいいのは当然・・・だけど、アンタたちは別よ。
私たちがお金で買えるほど安い女と思ったら大間違いよ!!!」
「それに、お前たちは勇者と言うよりもテカテカ光る虫のようだ。
結論を言うと、お前たちの全ては金で作られた飾り人形とさして変わらないから好まぬ。
以上だ――――――――」
「えっと・・・そう言う事だからそこを通して―――――」
「ハァ~丁重にもてなしましたが・・・これだけ言っても無駄だと言うのであれば・・・・力ずくで言う事を聞かせるしかなさそうですね。」
「女性に対して暴力をふるう事はしたくなかったのですが・・・仕方ありません。」
「よく言いますね・・・アナタはかれこれ数十人の女性に暴力を振るって自慢していたではないですか・・・おっと、口が滑り脱線しました。
さて、大人しくPTに参加するのなら良し・・・拒み、痛みを伴いながら参加するのもまた・・・良し。
選ぶのはあなた方ですが、ヤルのはこちら側です!!!さぁお選びなさい。」
男共は剣を引き抜き、問いの答えを待っているが・・・我慢の限界と、メルトと魔王は同時に魔法を唱えた。
「「
「お前らッ!?なんちゅーことを!!!」
「ハルト、良いから逃げるわよ!!!悪いのはあいつらで・・・私たちは正当防衛よ!!!」
「本当に頭にくる連中だ・・・ハルトが言ってくれれば反抗できないくらい叩きのめすが、どうする??」
「ぐ・・・追いかけますよ・・・ですが、華麗に優雅に・・・そして見つけ次第、残酷に冷酷に!!!」
「仕方ない・・・馬でも使いますか。」
「そうですね、美男には馬を・・・ですね。」
男たちはギルド裏にある自分たちの馬に乗って、逃げた3人組を追い始めた。
「ふんふふ~ん♪いやぁあの銭湯は大したものです。
昨日と今日だけで少しは胸が大きくなったように感じますね~サラシもいつもよりキツイ感じがして――――――
ん?あそこに見えるのは・・・ハルト?――――――ぐえッ!?!?」
「キルりんいい所にいた・・・まぁ、話せば長いんだが・・・今からアップダウン王国まで逃げるぞ!!!サイコな男たちに追いかけられているんだ!!!」
「そうそう・・・アイツらマジで自分勝手のワガママばっかなのよね?
顔はハルトより良いのは認めるけど、中身はハルト以下ね。」
「いや、ハルトとは比べ物にならないくらいのダメさだったぞ!!!
私たちの魔法攻撃をまともに受けて耐えられないとは・・・本当に未熟モノ達で同業者として涙が出そうだ。
だが、追いかけっこは得意のようだな。」
魔王が後ろをチラリと覗くと、馬に乗って追いかけてくる男たちの影を見つけ・・・さらに速度を上げて走って宿屋に駆け込み、王国に帰る準備を済ませ。
チェックアウトをして宿屋を出ると、そこには・・・馬に乗った男たちが待っていた。
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