49日目 部屋の相方は誰?

キルりんはハルトの体にナイフを好き放題に刺して怒りを発散し・・・・その前では床を必死にモップでこすりながら酒の臭いが残っていないか確かめるメルトの姿を・・・魔王と共に眺めていると―――――――


「ただいま・・・あらあら、不死者くんんだ?

良かっ・・・・・・ん?クンクン・・・何かにお――――――――」

「全然、臭わな~い!!!ね?キルりんもみんなも匂わないよね!?

匂うってこのアルダの体から漂ういい匂いじゃないの!?」

「チッ――――――今日はこのくらいで勘弁してあげますよ・・・・本当にハルトは女性の気にしていることを平気で触れる部分を何とかしないと、粉微塵にされて畑のフンと同じように肥料にされちゃいますよ??」

「キルりんの方こそ気にし過ぎなんだよ!?

たかが、あるかないかなんてそんなに必要な事なのか??」

「必要かどうかはキルりん次第だろうな。

だが・・・こんな《《脂肪の塊》が欲しいというキルりんもキルりんだと私は思うが―――――――

・・あ・・アルダはどう思う?」

魔王はアルダに酒の事を知られないように話を変え。

アルダは魔王の質問に少しの間をおいて考え――――――――


「私はどうこう感じたこともないけ・・・おっきくしたいのなら色々試せばいいんじゃないの?

かは別として。」

「そうですね!!!と・・・言う事で私は再び温泉に入ってきますので・・・・さらばッ!!!」

「あ、ちょっと!キルりん!!!あぁ~あ・・・行っちゃった―――――」

「その湯って、適当にただ書いただけじゃないのか?

本当に効果なんてあるのか?」

「私もそう思うのだが、キルりんがやる気満々なんだ・・・何を言っても聞くことはないだろう。

それに、私たちもさっきの戦いで汗をかいてしまったしな――――――

再びお風呂に入るのも悪くない。」

魔王はキルりんの後を追うように部屋を出て行くと、メルトもお風呂に入ると言って付いて行くと。

ハルトはアルダに勝手な行動はするなと注意を念入りにしてから風呂に向かって行った。


「ふはぁ~~~でも、アレだけ言ったが・・・ここの湯はサイコーだな。

温度もいい感じだ・・・だが、この効能はどうも信じられんが―――――」

現在は言っている温泉の効能はこう書いてあった。

筋力増加、疲労回復、モテモテ度アップ、金運上昇、視力回復、他諸々・・・・この胡散臭い看板を見なければ最高の温泉だと感じつつ温まっていると―――――


「おぉ~あんちゃん・・・奇遇だな。

どうしたんだ?疲れた顔をして・・・まるでだぞ。」

「悪かったな。

今日は色々大変だったんだ・・・死人のような顔をしていてもおかしくないくらいにな。」

魔のモノのおっさんと再び出会い、何があったのか話すと・・・・


「そりゃ、大変だったな。

で、これから予定はあんのか?」

「予定?風呂入った後か?

そうだな・・・アイツらと合流して街で飯でも食うだけだが・・・どうかしたのか?」

おっさんに尋ね帰すとおっさんは再びアカスリの時と同じようにコソコソと耳に話しかけてきた。


「あんちゃんにだから言うんだがヨォ・・・・ここだけの話だぞ?

この銭湯にはアカスリ以外にもがあるんだ・・・それもまた、男限定の店なんだが・・・・少し行ってみないか?」

おっさんの問いに今日はアルダや女がらみの問題イベントが続発したこともあって拒否をしようとした瞬間―――――――――


「なんでも・・・って言われてるくらいだからな。」

「――――――――ぐぐッ!?・・・・がッ・・・ぐ・・・・イヤ、止めておく・・・・ま、また・・・今度誘ってくれ・・・・くぅ―――――」

本来ならば、恥をかいてでも遊びに行こうとするのだが・・・今回はこれ以上の面倒事を起こしたくないという気持ちの方が強く・・・おっさんの提案を断り、風呂を上がると出入り口には魔王たちが待っていた。


「ハルトのくせに長風呂何て生意気よ??

で、今回はあのアカスリを体験なんてしていないでしょうね??」

「するわけないだろ!!!どんだけ俺を信用できないって言うんだ???

なぁ?キルりん?俺はそんな男じゃないよな??」

「え、あ・・・・そう・・・です・・・ね・・・・ハイ―――――

多分、大丈夫では?」

「そうだぞ!!さっきアレだけの事があったんだ・・・再びあの如何わしいアカスリをフルに体験していたと言うのなら・・・ハルトは本当にどうしようもない猛獣だぞ!

それにハルトを見て見ろ・・・アカスリをしたにしてはツヤツヤしていないのがその証拠だ。」

何だか信用されているのかされていないかわからないまま街に戻って食事を済ませると。

割とハードな1日もあってか今日は早めに宿屋で過ごすことにしたのだが・・・・


「この問題はどうすんのよ??

2人ずつじゃないと部屋で寝られないなんて聞いてないんだけど!?

言っておくけど私は絶対にハルトと同じ部屋なんて嫌よ!?」

「俺だってお前らと一緒に寝るとか悪夢だっての!!!

なぁ、3人押し込めば何とかならないか??」

「それは無理でしょう・・・・何せ、キツキツなので。

それじゃ、私はの部屋を使わせてもらいますね。

―――――――アレ、おかしいですね・・・何が不満ですか?この手はなんでしょうか?メルト?」

「そ、それじゃ・・・仕方ない・・・ゴクリ―――――――私がハルトと一緒の部屋でも構わないのだぞ?」

この流れまでの経緯はと言うと・・・食事を済ませて宿屋に着くと店主から2本の部屋のカギを受け取るが、この宿屋のルール上1人で部屋の使用はNGらしく・・・2人で1部屋を使う事が義務付けられており。

宿屋を変えようにも外は薄暗く・・・ここの宿代は部屋の割には安いと言う事もあって、最終的にじゃんけんで決める事となった。


「どうして私がハルトと一緒の部屋で寝ると言ったらダメだと言うんだ?

――――――何が不満なのだ?2人はハルトとは嫌なのだろ?」

「そ、それはそうですが・・・・魔王はハルトと2人っきりにさせるのが少し不安なだけです。

何せ、相手はあの悪名高きアカスリ体験者のハルトですよ?

2人っきりを理由に何をされるのやらわからないんですよ?」

「そうそう、それに・・・私は嫌だけど・・・一応、主だし?

使い魔の面倒はミミズ程度には見てあげないとって思っているし?」

「とっととじゃんけんして決めやがれ!!!

どのみち誰と一緒になっても何にもねぇから安心しろ!!!」

ハルトの叫びによって3人は一斉に手を出すと・・・・負けたメルトと同じ部屋になり、キルりんと魔王は隣の部屋に入り――――――――


「ん?何見てんのよ?ホラ、さっさとカギ開けて中に入りなさいよね。」

「ハイハイ・・・・」

メルトに命令されるがまま鍵を開けて部屋に入ると・・・メルトは窓側のベッドに飛び込んでいた。


「ここからここは・・・・私の陣地で、そこからそこはハルトの陣地だからね!!

勝手に入ったりをしたら魔法でドカン!!!だからね!!いい?本当にドカンってするからね!!!」

「ハイハイ・・・お前の言う変な事がわからんが。

お前みたいなを相手にするバカがいるのか知らねぇししたくもねぇから俺はさっさと寝させてもらう!!!それじゃ、おやすみさん。」

メルトの話をほぼ適当に答えながら寝ると・・・メルトは腹を立てて布団に潜り込んで眠りについたのだが・・・・


「ぐがぁぁぁぁ・・・・・ぐごぉぉおおおぉおぉ・・・・ぐぎぎいいぃぃいぃ・・・・・」

「う、ウッセェ・・・・コイツのいびきは強烈だ・・・・クソ、とんだハズレを使わされた――――――――」

メルトのバケモノ的ないびきが聞こえないように枕で耳を塞いで寝ようとするが、一向に寝ることができず・・・・メルトの顔に布団をかぶせて音を遮断すると、ようやく気にせず眠りにつくことができた。

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