38日目 アズラえるの死の天使認定
アズラえるが2人の魂を持って行ってから数分が経ち・・・メルトの口からはよだれが流れ出し、キルりんの周りにハエが飛び出し・・・腐敗が進んでいることを意味していた。
「おいおいメルト~~よだれ出てるぞ~~あはは・・・・ホラしっかりしろよ~バカだなぁ~~~」
「キルりん、ジッとしていろ・・・とぉ!!よし、これでハエはいなくなった・・・・だから・・・早く・・・(早く帰って来てくれ・・・・これ以上は持たないぞ!?)」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
と、不安がピークになったところで―――――――――――
「たっだいま!!いやぁ~2人には全力の推薦をしてもらってきたのできっと死の天使に慣れると思いますので・・・魂を返却~~」
「はッ!?ちょっと!!アズラえる!!!なんちゅーことしてくれちゃってんのよ!?私はまだまだあんなキラキラした綺麗な所には行きたくないの!!!」
「そうですよ!!どうせならハルトを討ち取ってからにしてくださいよ!!!
でも、私はまだまだ生きますけどね!!!キリリンッ!!!」
「帰ってきて早々うるせぇな・・・・俺と魔王は先に食べ終えたから先に帰るからな!!!アズラえるもこれで死の天使として正式になれたのなら天でも地獄でも適当なとこに対象を狙って――――――」
アズラえるはハルトの首に鎌を突き当てながら・・・死んだ目をして話し始めた。
「無事に推薦が通ればコレで私は奇跡の使用回数がほぼ無制限になる・・・・これも全部、サポーターであるハルトたちを育成したという私の実績の賜物となってるの・・・だから、ハルトたちは私のサポートをしてもらうから。」
「はぁッ!?何勝手に決めてんだよ!!!俺はやらねぇからな!!!んな仕事!!!」
「そうよそうよ!!!って、いつの間に私たちの指紋印を・・・・まさかあの時ッ!?」
「メルトも気付きましたか?昨日のアズラえるの行動は私たち3人を罠にハメる為のウソだったのでしょう・・・・天国も地獄も手口の汚さかを見ればロクなもんじゃないですね・・・」
「昨日の行動?アズラえるは一体何をしたと言うんだ??」
魔王の疑問をキルりんは酒場での出来事を振り返って説明し始めた・・・・
昨晩、酒場で魔王がお手洗いに言っている間の事・・・・
アズラえるは1枚の紙を俺たちの前に置き、これに署名すれば天の神々からの祝福で永遠の幸運と財が与えられると書いてあり・・・俺は署名に拒否し、2人はアズラえるの言う事もあってかさらさらっと書いて指紋印まで押したのだが・・・・そこからがアズラえるの癖の悪さが出て・・・・
「ここだけの話ですけど・・・3人目を紹介してくださった方には抽選でこの・・・最高級シュゴビーと巨乳への道の秘伝書第一巻が付くのですが・・・・いかがでしょうか??」
「ハルトでいいわね・・・・」
「そうですね、ハルトでいいですね・・・・サラサラさらっと・・・印はハルトが寝たらそっと押しておきましょう――――――――――」
と言う事が昨日の酒場であったらしく・・・・その話を聞くと、抑えられない衝動からメルトとキルりんに強烈なグリグリを決め込み。
「で、最終的に俺は指紋印なんて押してないんだが???」
「それはですねぇ~私がちょいちょいッと忍びまして・・・・押しちゃいました!テヘッ。」
「いたたたた・・・こちらもノリと勢いでやってしまったので悪いと思ったのですが・・・・まさかこんなことになるとは思ってもみなかったのですが・・・秘伝書の効果もあってかちょっとだけできた?ような気がします!!!」
「キルりんってば本当にソレばっかりよねぇ~この世は物が全てなのよ?
あの超高級シュゴビーをいつ飲むかいつ飲むか・・・いやまだだ・・・って本当に楽しみで仕方がないのよぉねぇ~~あぁ~タノシミ・・・・」
「お前ら勝手に人の名前と指紋印を取っといて平気だよな??
少しは詫びとかないのかよ!?こんな馬鹿どもがしたことだ・・・俺は降りるぞ!!!」
「ん~まぁ、考えてみれば私は死の天使になった身です・・・・こんなポンコツ2人を使うよりもアッチでちゃんとした人を探す方が賢明ですね~
はぁ、今回は3人のサポート雇用契約(永遠奴隷契約)を破棄してあげましょう。」
アズラえるは何だかとんでもないことをボソッと呟き・・・・契約書を焼き捨てて契約は白紙に戻って一安心して胸を撫で下ろし、朝食を済ませた俺と魔王は家に戻っていった。
「で、今日はどうするのだ??
依頼を受けにギルドでも行くのか?」
「アイツらは動かさねぇと絶対に面倒なことをするか金を酒に変える可能性があるし・・・働くしかないだろ?
魔王には悪いんだがあんな連中だ・・・サポートしてくれると助かるんだが・・・」
魔王は恥ずかしそうにコクリと頷き・・・力を貸してくれることになり、メルトたちが戻ってくるとギルドに向かう準備をしているとすぐに3人が戻ってきた。
「お金を払わずに先に出て行くなんて酷いじゃないですかぁ~」
「そうよ!!それに私たち自腹で食べることになったじゃないの!!!」
「それが普通だろうがッ!!!ってか、あんなことしておいてよく平気だよなお前ら??」
「そんなどうでもいい話は置いといて・・・・私はこれから死の天使の認定書が届くまで天で過ごすから・・・その・・・数百年か何かイベントがあったら戻るから
それまで、ドロン!!!」
詳しい理由を聞くことなくアズラえるは転移で消え失せ・・・またこの4人でのパーティーとなり魔王と話していたギルドにメルトとキルりんを連れてやって来ると、値と内容の良い害獣駆除依頼を受けてさっそく駆除に向かった。
「うぎゃぁぁぁあぁぁ!!!だ、誰かこの後ろのコレ何とかしてくださいよ!!!!」
「任せなさいっての!!!キルりん!!私が合図したらできるだけジャンプするのよ!!!いい??しないと・・・・それはなっちゃった後で考えましょ!!!」
「おい、ダメだろ!!!お前絶対有害な攻撃しようとしてただろ!!!
もっと他にないのか!?害獣だけ倒す手段とか――――――――」
「こうすればいいんじゃないのか??」
と、魔王は手刀で害獣の首を跳ね飛ばし・・・害獣の体がごろんと転がっていた。
「あわわわ・・・あ、ありがとうごぜぇます・・・魔王―――――――」
「さすが魔王・・・容赦のない攻撃だな・・・」
「へ、へへへへ・・・へぇ~普通じゃない!?わ、わわわ私ならもっとド派手にやれたのに!!!」
「これが一番被害が出ない方法だったのだが・・・切れ味がイマイチでな・・・剣とか武器があればもっといいと思うのだが・・・どうしてハルトは武器を持っていないのだ?」
魔王に言われて初めて気が付いたが・・・・武器を持つ持たない以前に食べるための生活費を稼ぐので精一杯であったこともあり、害獣駆除も終わったこともあり・・・ギルドで報酬を受け取ってから装備を買いにむかった。
「よう、いらっしゃい・・・・装備屋へようこそ・・・今日は強化か?それとも媚薬が欲しいのか???」
「おい、大丈夫なのか?この装備屋?」
「し、失礼ですよハルト!!この装備屋は創業200年を超える老舗で・・・未だ店長をしているこの方こそ年齢237歳の未だ独身店主のガレロさんですよ!!」
「媚薬ねぇ~フムフム・・・そう言うのを作ればはやるのかしら?
ちょっとカエルで試してから販売しようかしら――――――」
「媚薬か・・・子供のころ父の秘蔵の媚薬チョコをつまみ食いしてよく怒られたものだ・・・・ウンウン。」
キルりんの言葉に店主は少し涙を浮かべながら何をしに来たのか尋ねてきた。
「えっとですね・・・店主、この地味なハルトをカッコよく冒険家かハンターのように見える武器付き装備を一式買いたいのですが・・・・」
「地味で悪かったな!!!まぁ、地味かどうかは置いといて・・・装備が欲しいんだ・・・なんせ、この先どんな敵や害獣が待っているかわからないからな。」
「そうよね~このメンバーの中で一番レベルが低いのは駆け出しのハルトだもんねぇ~いつもは大口叩いてるけどハルトから魔法を取ったら男にしか持たない聖剣しか残ってないんじゃないの!?あひゃひゃひゃ!!!!」
「メルト、あまり下品なこと言うんじゃない・・・失礼したな。
で、この大剣はいくらするんだ???」
魔王が軽々と持つ大剣を見て店主はあわわと口をがくがくさせて驚き・・・再び涙を流し始めていた―――――――――
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