35日目 男性キラーフレイルの猛威

戦争参加にあたって、サポートしてくれる兵士たちに戦争のルールを聞くと・・・・この戦いは命の奪い合いで、勝敗の付け方が負けを認めるか死亡したかの2つしかなく・・・・武器も魔法も何でもありの戦いであること以外に注意するような細かなルールが一切なかった。


「すまん、棄権していいか??」

「ダメですよッ!?何なんですか急に!!!ここまで来て逃げると国を挙げてハルトは負け犬のレッテルをはられるんですよ!!!それでもいいんですか!?

も何も得られず不名誉だけいただいて本当にいいのですか!?」

「そうよそうよ!!!私たちにはが必要なのよ!!!

だから無理やりにでもハルトを会場に連行するからね!!!これは主の命令よ!!」

「まぁこうなってしまったんだ、今さら引き返すわけにもいかないだろう・・・それにハルトは不死者なんだ、剣で斬られようが魔法で焼かれようが問題ないんだ・・・対戦相手を殺すか辞退させるかさせればいいだけの話だからな。」

「ん~私は死んだ人の魂を回収できるのなら何でもいいのでお気になさらず~~~あはは~~楽しいモノが見れさえすればいいだけだから。」

王の手駒として戦う事となってしまい・・・・メルトたちのテンションも最高潮のまま次の日を迎え・・・・


「へぇ~即席にしてはすごい闘技場ができたわね~~~でも、急な雨が降ったらどうすんの??」

「雨は降らなさそうな天気だが・・・こういうのは座席の下に雨具があるものだ。

ホラ、これを被るんだ。」

「何というか・・・これは戦争というよりお祭りですね!!モシャモシャ・・・・」

キルりんはポップコーンを食べながら始まりを待っていると・・・セレジォ王たちを含めた4人の王と選ばれた俺たちが集まると、開催式が行われ・・・軽いルール説明と対戦相手を決めるクジを行い対戦グラフが魔法で大きな布に描かれ、オッズを付け始めた。


「おい、待て・・・これじゃ俺たちは見世物の動物じゃねぇか!!!

お前らは平気なのか??こんな扱いで。」

「私は平気・・・私が勝てばここにいる奴らから。」

「サイーヤ族の君はすごい血の気が多いようだね。

でも、勝つのはボクさ・・・・」

「私だって勝つ気満々だよ!!勝って皆に木馬とロウソク攻めの講習をしないと。」

「それでは、ハルト・・・この国、いや・・・この4つの国の命運はハルトにかかっている・・・頼んだぞ。」

王たちはコロシアムの特等席に移動し、席に着くと・・・第1回戦のサエリアvsクウォントの試合が始まろうとしていた。


「それでは・・・2人とも・・・正々堂々と戦うように・・・それでは始めッ!!」

「それじゃ、ボクからいかせてもッ―――――――――――」

「ごちゃごちゃウルサイ・・・・戦いは一瞬の気の緩みもしてはならないと教わらなかったのか――――――」

審判が開始の合図を出し・・・クウォントが剣を抜こうとした瞬間にはサエリアの腰にぶら下げたフレイルがクウォントの大事な部分に炸裂し、色々な意味でクウォントは撃沈し行動不能の意識不明の重体となって搬送された。


「アイツ・・・男のクリティカルを躊躇なく狙うとか・・・正々堂々もあったもんじゃないな。」

「大丈夫~次は私がハルトさんをたっぷり調教してあげますから!!」

ローズのドS発言に背筋をゾクゾクとさせながら会場に出ると・・・・ローズに賭けたものが多いのか、俺の声援よりもローズの応援の方が勝っていた。

だが、それは表の面だけを見たローズの可憐さに魅かれたモノ・・・実際のローズは可憐なバラではなく・・・毒々しいまでのトゲを持つ薔薇なのだから・・・・


「それでは、2人とも正々堂々と戦ってくださいね・・・・それでは、始めッ!!」

「ふふふ、やっとこの時間が来たね・・・・私、ハルトさんを見てからずっと調教したくてうずうずしてたんだよぉ??

だからぁ・・・戦いという名の調の開始だよ!!!」

「目が怖いんだが!!!って、いきなりムチ攻撃!?

イダダダダ、痛いつってんだろうがバカヤロウ!!!」

ローズのムチを取り上げ、捨てると・・・ローズは次と言って剣を引き抜いた。


「おいおいまじかよ・・・・拷問専門じゃなかったのかよ!?」

「死んでも拷問できるでしょ?と、言う事で・・・バイバイ!!!」

ローズは躊躇なく剣を突き刺して試合が終わったかのように静まり返る中・・・メルトが吠えた。


「さぁ、やっちゃいなさいハルトォ!!!アンタは斬っても煮ても裂いても死なないわ!!!思いっきりその生娘をハルトの毒牙でやっちゃいなさい!!!

んでもって、私たちは賞金に一歩前進よ!!!うぇへへへ・・・」

「うっせ!!!メルトに言われるとシャクだが・・・ローズには悪いがここでリタイアしてもらうぞ!!!」

「なッ!?確実に剣はハルトさんの腹に刺さっているのにどうして死なないの!?

と、いうより・・・死なないのなら逆に最高じゃない!!!

これならハルトは永遠に私の拷問フルコースを味わえるのよ!!

永遠に永遠に・・・ずっと、ずぅ~っとね!!!」

ローズの目が歪み、喋り口調が変だと感じた観客はやっとローズがまともじゃないと言う事に気がつき・・・ローズは剣を引き抜き再び剣を俺に突き刺して楽しみ始めた。


「ほら、ほらほらほらほらほらほら・・・どう?気持ちいでしょ!?ハルトさぁ~ん♪」

「ローズ・・・そろそろ寝てろッ!!!

――――――――――スリープッ!!!!」

ローズの突き刺した剣を掴み、強くスリープをかけるとローズはばたりと倒れて深い眠りに落ち・・・審判の判定で俺の勝利となった。


「あのローズのご褒美を耐えるとは・・・・セレジォ王のハルトは一体何者なのだ??それに、剣を刺されても死なないとは・・・何とうらやま・・・」

「いやいや、それよりも・・・私のクウォントはどうなったのだ!?

あんな大事な部分を狙うとは・・・正々堂々ではなかったのか!?」

「あらあら・・・誰もウィークポイントを狙ってはいけないというルールを書いてないじゃない???それに・・・あの青年も満足そうだったじゃない。

サイーヤ族にやられてね。」

「ハルトよ・・・次はサイーヤ族の生き残りのバケモノと言っていい娘だ・・・気をつけるのじゃぞ――――――」

王の心配もハルトには届いておらず・・・ハルトはと言うと、ローズと言いこれから戦うサエリアという強敵を前に王に対してここまで滅茶苦茶な戦いだと聞かされておらず怒りが爆発寸前であったが、審判の合図でサエリアと対峙すると・・・サエリアが話しかけてきた。


「お前は剣で刺されても死なないのは真か??」

「あぁ、体が溶けても戻ったし・・・腕が取れてもくっ付いた。

で、サエリアとかいったお前はそのフレイルで俺をミンチにでもするつもりか??」

冗談を言ったつもりはなかったがサエリアは大きく笑い・・・フレイルを振り回して何も話さず開始の合図を待っていると――――――――


「それでは、最終戦・・・始めッ!!!」

「――――――――先手必殺!!!まずはその面を粉々にしてやる!!!」

「ぶはッ!?いきなり・・・顔かよ――――――」

顔面にトゲ付きフレイルが投げ込まれ・・・勝負が終わったかのように思えたが・・・・


「お前、マジで容赦ないよな?そんなんだとお前・・・友達いないだろ??」

「なッ!?私にだって友の2人や1人くらい・・・・くッ、これでもまだ足りないと言うのなら・・・足と腕を潰すまで!!!」

サエリアはフレイルを戻さずに捨てさり、急接近して足と腕を砕き地面にねじ伏せ・・・勝利のポーズをとったが――――――


「だからさぁ・・・俺の体はそんなもんじゃ終わらないんだわ・・・・

コレだけ丁寧にバキバキに光のカーテンが出るレベルまでしてくれちゃったけどさ?3,2,1・・・と、ほれ・・・もう治ったぞ??

次は俺の番か??なぁ?サエリアぁ~??」

「くッ!?力では私の方が断然上なのに・・・傷を付けられない相手がこんなにも苦戦するモノなのか・・・・いや、それよりもコイツのあの目は何だ!?

獲物を狙う目じゃない・・・をするような目つきッ!?」

サエリアはじりじりと詰め寄るハルトから逃げていると・・・いつの間にか壁際に追い込まれて下がることができずに凛々しかった顔が崩れて泣き出してしまった。



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