29日目 雪の森に現れる未確認生物!
家に戻ると・・・メルトとキルりんは床に寝転がり、お腹をさすって満足そうな顔を浮かべてうとうとしていると本題の話をメルトがハッと思いだしたかのように立ち上がって話し始めた。
「そうだった!!!私、皆にはナイショで勝手に次の
――――――――これを見て頂戴ッ!!!」
「これは・・・隣の国のガイゼル王国に丸が入って・・・その隣には魔王城キルって書いてありますが次はこの魔王を倒すってことですか??」
「このド低能マジカルオカルトメルトは言っているんだと思うが・・・魔王はこのガイゼル王国近くにいる魔王の情報とか知らないのか???」
「ん~思い出せるようで思い出せない・・・私は長い間セレジォ王と交戦していたせいで他の魔王との接点はなかったのだが、昔の記憶だと・・・このガイゼル王国近くに住む魔王はそこまで凶悪なイメージではなかったような――――――」
魔王の反応に怪しさを感じ・・・メルトにどうしてこの魔王をターゲットに選んだのかと尋ねると。
「え、えっと・・・それは・・・このガイゼル王国の国王がその国の近くに住む魔王の討伐に報酬を付けるって広告が載ってて・・・テヘッ」
「バカヤロウッ!!!何でもかんでも報酬が出たら食いつく癖を何とかしやがれ!!!何度痛い思いをしたら気が済むんだよ!!!」
「そうですよ!!!で、メルト・・・報酬は何なのですか???報酬次第では私も参加を――――――」
「2人とも報酬には目がないと言った感じだな・・・それに報酬と私たち魔王が天秤にかけられる世の中になったと思うと魔王として生まれた事を少しだけ後悔するな。」
魔王を目の前にしてキルりんたちのゲスさは薄れることはなく・・・余りにもひどいと言う事で、止む無しと2人にグリグリを見舞って無理矢理黙らせ・・・違うプランを考える事となった。
「違うプランって何よ!?魔王討伐の一攫千金よりもいいプランって何!?
――――――――――農家にでもなれっていうの??」
「そうですねぇ・・・ハルトの賞金とバイト代があれば何かとできそうな気がしますが??」
「おい、ちょっと待て!!こう言っちゃなんだがお前ら・・・・俺の金で何かをするつもりなのか!?」
「だが、ハルトたちと汗水流して働く農作業も・・・悪くないな――――――」
魔王は遠い目をしながら農作業をするイメージを膨らませて想像していたが・・・・ボソッと経費と手間がかからない事に限定すると言うと魔王は現実に戻ってきた。
「それが嫌なら魔王討伐かいつものようにギルドの依頼で食べてくしかないわよ??ハルトはどっちがいいのよ???」
「そりゃ、依頼で食ってく方が楽でいいから俺は後者だな。」
「私は資金的に潤沢な方の味方ですので・・・ハルトに味方します!!」
「と、言う事はギルドの依頼で決まりと言う事だな。」
多数決の結果・・・ギルドでの依頼を受けつつ生活する事に決まり、メルトはブツブツ言いながらいじけていた。
「で、これからの話が済んだわけですが・・・今日は何かする予定あるのですか??」
「別に何も決まってないが・・・どうしたんだ??何かいい依頼でもあるのか??」
「何々??お金の話をしてるのなら私も混ぜなさいよ~~~」
「私も特にやることはないから問題はないがどうしたんだ??」
キルりんはテーブルにバンと依頼の紙を叩きつけ・・・その依頼を手伝って欲しいと言う事であった。
「えぇっと・・・・この近くの森で冬季に生えるユキノコの収穫か・・・危なくはなさそうだが・・・・どうして1人で行かなかったんだ??1人だと報酬を独り占めにできてたんだぞ??」
「ハルト、冬場の森はメチャクソ危険なこと忘れたの???
クマとかイノシシとかゴブリンとかモスマンとか出てくんのよ!?
ちょっとは環境を考えなさいよね!!」
「メルトの言って通りで・・・このユキノコを捕食するモンスターや害獣が出るので対処しながら収穫したいと思いまして・・・・アハハハハハ。」
「つまり、4人で収穫しつつモンスターや害獣が出たら対処すると言う事だな。
私は仲間として力を貸そうではないか!!!」
メルトの言ったモスマンは未確認生物で少し見て見たいと思いながら、魔王がいるのならとキルりんの依頼を手伝うことになり・・・・森に向かった。
「雪は止んでるが・・・ユキノコの色が同じ白で見分けがつかねぇな。」
「ハルトはこれだから・・・・いい??キノコ採りは木の幹にできるからソコを見て行けば・・・・ホラ、あったわ!!!」
「メルト・・・それはバクレツアカテングダケですよ???
ヒト噛みで体中が赤く燃え上がる痛みに包まれるゲキ毒のキノコです。
私たちが探しているキノコはこれです。」
「本当に雪の様にふわふわしたキノコだな。
―――――――お、コレか???」
さっそく魔王はユキノコを収穫し・・・メルトも本気を出すと言って少し先の方へ行くと言って走り去っていった。
「何とか集まってきたが・・・・このキノコは何に使えるんだ?」
「そうですね・・・このキノコは化粧水や美容に使えるとかで新しい美容商品の開発で使うらしく、キノコが多ければ多いほど報酬を上げると言ってましたね。」
「キルりんのそう言った薬学の知識は大したものだな。
それもアサシンになるために覚えた知識なのか??」
魔王がそう尋ねると、キルりんは恥ずかしそうにコクリと頷きながらキノコを収穫していると・・・・・
「ん??何か鳴き声が聞こえたような・・・・・気のせいでしょうか??」
「いや、私も鳴き声が聞こえたぞ・・・・多分メルトのいた方から聞こえたような・・・・」
「あ・・・察し・・・・どうせメルトがまた何かやらかした―――――――」
「――――――――うわぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!みんなタスケテぇぇぇぇえぇぇ!!!!」
予想は的中し・・・メルトは背負ったカゴや頭に葉や枝を刺して何かから逃げてきており、その追ってきた生物がメルトを追って姿を現した。
「ブオオオオオオオオォォォォオオ!!!!!」
「なんだコイツ!?って!!!もしかしてこれが言ってたモスマンなのか!?」
「そうなんですが・・・でもおかしいですね、本来モスマンは悪さをするモンスターではないのですが・・・メルト・・・このモスマンに何かしましたか???すごく怒っているように見えるのですが。」
「うぅぅうぅ・・・だってェ!!そのモスマンは私が取ろうとしたユキノコを横取りしたのよ!!!だから私は人様からユキノコを横取りするとどうなるか魔法を放っただけで私は悪くないもん!!!」
「魔法を放ったのか・・・通りで怒っているワケだ。
この場合はどうすればいいのだ??」
キルりんにモスマンの対処を聞くと・・・メルトの先ほど取っていたテングタケをモスマンに見せれば昔のトラウマが蘇って逃げると言い、メルトにテングダケを出すように言うとメルトは移動する際に捨てたと言って状況は最悪になっていた。
「くそ、こうなったら俺たちがモスマンを引きつけているうちにキルりんはテングダケを取って来てくれ!!!」
「は、ハイ!!!すぐに取ってきますので・・・溶かされないでくださいね!!」
キルりんはとんでもないことを言ってテングダケを探しに行ってしまい・・・モスマンを引き受けたことを後悔しながらモスマンに話しかけた。
「あ、あのぉ・・・モスマンさん・・・このバカを消した所でいい事なんて1つもないですよ??それよりこのユキノコ食べませんか???」
ユキノコを手渡した時・・・モスマンは翼でキノコを払い、口からごぽぽと嫌な音が聞こえだして退避すると同時に後ろの木にモスマンの口から飛び出した液体がかかるとドロドロに溶けていた。
「ブォオオォォォォオォ・・・・・」
「あわわわわ・・・こ、コイツ絶対凶悪だろ!?」
「モスマンは色んなキノコを食べるせいか体液の腐食効果が凄まじいと聞いたことがあるのだが予想以上の腐食効果だな。」
「あの液体の評価してる場合じゃないわ!!!早く何とかしないとハルトがドロンドロンになっちゃうわよ!!!!」
モスマンの液体攻撃で逃げ場をなくされ・・・モスマンはゆっくりとこちらに近づき、トドメの液体を吐こうとした時―――――――
「ハァハァ・・・・ハルトッ!!!お待たせしました!!!
テングダケをやっと見つけて戻ってきました・・・・・よッ!?うわぁぁ!!!」
メルトがいい所でテングダケを持って帰ってきたと思ったら・・・・モスマンはキルりんの方を向いて腐食液を吐き・・・この位置からだと2人は間に合わないと考えていた時には体が動き、キルりんの盾になっていた。
「は、ハルトッ!?あぁぁぁ・・・こんなにもドロドロになってしまって・・・・待っててください!!!これで終わりますから!!!
ホ~ラ、モスマンの嫌いなテングダケですよ~~~そら、あっちに行きやがれ!!!」
「ブオオオオオオオオッ!?!?!?」
「モスマンは飛んで逃げて行ったが・・・・ハルトが溶けてしまったな。」
「ハルトなら大丈夫よ・・・・アイツの売りは不死身の体なんだからッ!!
―――――――――キルりんを守って溶けれたのならハルトも本望・・・・アイタッ!?」
「何が本望だバカ野郎!!!こっちはドロドロにされて気分最悪だッ!!!」
メルトの調子に乗った発言に一撃を加え、今回の成果は全身が溶けようとも体が元に戻るというデータが取れたこととキノコの収穫も満足いく量に達したことで・・・俺たちは依頼者に引き渡して報酬をもらい酒場でいつものように食事をとって家に戻っていった―――――――
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