16日目 ココノツ村へレッツゴー

ジャージーのイベントを終えて家に帰り、メルトたちに夜遅くまでしていたのかと聞かれ・・・俺は特別な夜に行われる老人モミモミ会にゲストで参加して優勝してきたとふざけて話したのだが、メルトたちはすんなり受け入れ・・・このオカルト女の脳の作りを心配に思いながら部屋に戻ってすぐに眠りについた。


次の日・・・前日稼いだゴールドのおかげ今日はぐうたらして過ごそうと思っていたのだが、貧乏性なのかメルトはさらに強欲にゴールドが欲しいと言い出し・・・1人で行って来いと言えば1人では生きたくないと駄々をこね、キルりんとアズラえるを連れて行けばいいと言うと―――――――


「ハルトってばバッカじゃないの!?アンタは私の使い魔なんだから私と一緒に行動するのは当たり前でしょうが!!!それにあの二人は私じゃ制御できないし・・・・つ、つべこべ言わずにハルトは私の言う事を聞いて私のワガママに付き合えばいいのよ!!!わかった!?」

「お前、自分の事は棚に上げて・・・あの2人以外にお前の制御をする必要があるんだぞ???もっと自分の事を考えてからしゃべれ!!!」

「一体朝から何をもめているんですか???

また、メルトがパジャマ姿で魔法をブッパしましたか?」

「ん~最近だと生まれたままの姿でブッパしたと聞いたけど・・・まぁどうでもいいわね・・・社会的に死んじゃったら私がちゃんと狩り取ってあげるから。」

朝からロクな話が出ず・・・一先ずこれからの話も朝飯を食べながらすることにして酒場に向かうと中で騒ぎが起きていた。


「ん?どうしたんだ??朝からケンカか?」

「いや、なんでもこの町の近くにある湖の綺麗な村にバケモンが出たとか・・・で、その村から逃げてきたの話が残酷過ぎて騒いでるんだ。」

「ふむふむ、では私はその人から話を聞いてくるので・・・ハルトたちは私の分の朝食を注文して待っていてください。」

「あんまり迷惑かけるんじゃないわよ~~~って・・・大丈夫かしら??」

「メルトの口から迷惑をかけるなとか・・・商人にモノを売るなと言うようなもの・・・・まぁ何が起こるかワクワクドキドキだね。」

何だか話が見えないまま俺たちはキルりんに事情を聞きに言ってもらい・・・朝飯を目の前に置いて待っていると――――――


「すみません、お待たせしました。

ですが・・・この話をする前に朝食を食べちゃいましょう。」

「お前ェ・・・絶対何かいらんコトを言っただろ・・・・」

「でも、お腹が空いたら何とやらよ!!いっただっきま~す!!!」

「これは・・・面白くなってきたきた・・・死の匂いがプンプンだよ・・・。」

何だかアズラえるの表情からまた面倒事に巻き込まれると感じながら朝食が済み、キルりんに話を聞くと・・・


「では、先程の話をしますね。

まず、今回の避難してきた被害者から聞いた情報ですが・・・何でも不可解な連続失踪があったらしくてですね―――――

その被害者は皆、男で・・・女性にはもしなかったと言ってました。

そして、抵抗した者は八つ裂きにされてしまったと言います。」

「なんだ??そのバケモノはゲイかホモなのか???

そんな奴がいるところになんか行きたくな――――――」

「ねぇ、キルりん・・・1つだけ聞いておくけど・・・どうしてそんなに震えているの???武者震い??」

「きっとハルトが想像する嫌な方がヒットするんだよ!!きっとね!!フフ。」

と、アズラえるが予想するとより一層キルりんのガタガタと震え上がり・・・キルりんはびくびくしながら朝から駆除依頼を請け負っていなかった事もあって・・・その被害者から観光もアリアリで、その村のバケモノの討伐か捕獲の依頼を受けてきていた。


「お前はバカか!?いやバカだろ!?俺は男なんだぞ!?もしこんなガチヤバなホモかゲイ野郎に捕まったら大変な目に合うと思わなかったのか!?!?ああぁ??」

「そ、それは申し訳なかったと思います・・・ですが、無料で観光付き依頼ですよ??それにちゃんと報酬も出ると言ってますし・・・この中から1の被害で済むのならと考えに考えてしました!!」

「エライ!!そのがめつさとコストをハルトだけに絞ったところがグッジョブよ!!!って!?ハルト・・・何??その手は・・・まさか!?

――――――――――いだだだだだだ!?!?ごめんなさい~~~フザケ過ぎましたぁ~~~い~だ~い~~~」

「で、その村と湖は何ていう名前なのかな???

昔・・・天界のテレビでそういう映画を見た事があるような――――――」

アズラえるは気になってキルりんに尋ねると・・・キルりんは村と湖の名前を言ったのだが――――――


「ダイアーモンドレイク??・・・ココノツ村??

俺のいた世界にもそこに似たような場所であったホラー映画があったが・・・

まさかな・・・・ナイナイ・・・・」

「無くはない話だよ?その湖と村なら色々とホラーなことが起こるスポットで有名で・・・一部のユーザーでは最高の観光名所になってて・・・まぁ、楽しい所だヨ。」

「無料観光なんだから悪くないわ!!さぁ、早く観光しましょ!!」

「アズラえるの話を聞く限りだとものすごく不安ですが・・・まぁなるようになるでしょ!!!観光先で何かあれば依頼主をボコボコにして逃げればいいだけの事ですし!!!な、ななな何も怖がる心配はないですよね!」

と、不安しかない観光付き依頼の舞台へ馬車で移動したのだが、思っていたよりも湖は美しく・・・それに村も賑わいを見せていた。


「安いよ安いよ~~この斧にナイフ・・・ナタも何でもあるよ~~~」

「なんで土産がこうも物騒なんだ・・・修学旅行のお土産屋にある木刀レベルに荒れてるな。」

「修学旅行??それは、ハルトの元いた世界の旅の1つですか?」

「そんなのどうだっていいから!!早く宿をとって観光しながら依頼をパパっと終わらせちゃいましょ!!!」

「ん~なんだか妙に人が多いけど・・・こんなに人っていたかな??」

アズラえるは人の多さに疑念を抱きながら先に行く俺たちの後を追い・・・宿屋で部屋を取ると情報収集と言いつつの観光が始まった。


「ハルトハルト!!このお面なんてどうですか??

中々の殺人的オーラが出ているように思いますがおうでしょうか??」

「ん~まさかなぁ・・・何でこんなところにホッケーマスクが売ってんだ・・・・まさかなぁ・・・・がここにいるワケが・・・・いたとしてもアレは映画であって・・・・」

「ハルト??どうしたのよ~~そんな生まれたての羊みたいにびくびくしちゃって~~もしかして怖いのぉ??だらしないわねぇ~ここぞって所で頑張ってもらわないとハルトを召喚した意味がないんだからね!!!ちょっと!!聞いてるの!?」

「でも本当に不思議だね・・・事件があったって言うのにこの賑わい・・・・

普通なら外に出て騒いだりしないと思うのだけど。」

アズラえるの言った通り・・・男たちが行方不明になったのにも係わらず、この賑わいはおかしいと思い、土産屋のおっさんに話を聞いた所・・・

この事件の犯人はこの村の人を襲うことはしないと言い―――――

おっさんにさらに詳しく尋ねると、よそ者やカップル・・・他にはリアジュウを好んで狙うと・・・そう言いながら俺たちをジロジロ見て注意をすると商売の邪魔だからと店から追い出されてしまった。


「何だか親切だか不親切だかわからないおじさんでしたね。

それにしても・・・・・・カップル・・・りあじゅう・・・どれも私たちとは無縁ですから狙われることはないですね!!」

「おバカ!!俺たちはどっからどう見てもよそ者だろうが!!それに、なんだか人がさっきよりもかなり少ないぞ??大丈夫か??」

「ねぇ・・・アレ・・・何かヤバそうなのが見えるんだけど―――――――」

メルトは村の外にいる不気味な男を見つけ・・・ジッと見ていると、男はこちらに向かって走りだし・・・村の中で追いかけっこが始まった――――――

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