15日目 ジャージーの頼み
あれからギルドに戻るや・・・そのプリーストの生存に男たちは歓喜し、一部の女性たちは舌打ちをして出迎え・・・俺たちは亡霊討伐の件については逃げられてしまったと報告し報酬の大半を占めていた討伐報酬が無かったのだが・・・この町の教会のプリーストは街の名物となっており、教会からの報酬・・・・200万ゴールドという大金を受け取ったのだが、この教会の支払いを見て何かヤバイことをしているのではないかと疑うレベルであったのだが・・・もらえるものは拒まず受け取るのがメルト流らしくそのゴールドを4人で分けて夕日を背にしながら酒場に立ち寄った。
「――――――んぐんぐんぐんん・・・ぷはぁ~~~くぅぅ~~~あぁ~シアワセ。」
「お前はシュゴビーを飲んでるときがマジで幸せそうな顔をするよな~~~
ぷっはぁ~~~ウマイ!!!良いのど越し!!」
「ハルトよ、あまり飲み過ぎては体に悪い―――――」
「良いんですよ、いつもの事ですから―――――ですが、私なんてジュースですよ!?どうしてシュゴビーを飲むのに年齢制限なんてものをつけたのですか!?美味しそうに飲むのをあと数年も見てるだけなんてあんまりです!!!」
「そりゃ、若いうちからお酒にハマっちゃったら育つ部分が育たな―――――
あはは~ごめんね~キルりんは守ってても変わらないんだったネ~~ぷはぁ~~」
アズラえるの発言にキルりんのガラスのハートがミシっとひびが入り・・・ヤケクソとばかりに料理をガツガツと食べる様子を見て、バロンはそっとこのPTは大丈夫なのかと尋ね・・・俺は即答で大丈夫じゃないと呟くと―――――
「そこのべっぴんさ~~~ん・・・ヒック・・・もう一杯シュゴビーちょうら~い。」
「あ、は・・・は~いただいまぁ・・・(酒くさ・・・)」
「お前・・・完全に酒癖の悪いオヤジに見られてたぞ?それでいいのか??偉大な魔術師さんよ??」
「止めたってムダだと思いますよ??
メルトの目が完全にイっちゃってますから。」
「ぷはぁ~~っと、もうこんな時間か―――――んじゃ、私はお先に失礼するね・・・天使はあまり食べなくても死んだりしないし・・・ぶっちゃけると報告書を提出しないとなんだけど―――――」
アズラえるは時計を見て嫌な顔をしながら家に帰り・・・アズラえるのいたテーブルには飲んだ分の代金が置いてあった。
そして、奥からウェイトレスがシュゴビーをメルトの前に置いて・・・今日はこれ以上の酒は出せないと注意して戻って行った。
「なんにぉ~~わたしはお客しゃまなのに・・・ヒック・・・しけた店ねぇ・・・
んごんごんごんご・・・ぷはぁ~~~うっぷ・・・キルりん・・・トイレに連れてって・・・」
「あ~もう・・・コレだから酔いどれメルトは嫌なんですよ・・・・ホラ、肩を貸しますから・・・ちょっと!?メルト、しっかり立ってください!!!
あ、そこ・・・段差ありますよ!!!おっととと・・・」
「何やってんだあの2人は・・・・あんなになるまで飲むなよな・・・・」
フラフラとトイレに向かって歩いて行くメルトたちを目で追いながら・・・から揚げをモシャモシャと食べていると・・・酒場に今日助けたプリーストがやってきて、俺を見つけると・・・目の前の席に座って挨拶をしてきた。
「こんばんわ・・・今日は助けていただいて・・・本当にありがとうございます。
えっと、知っていると思いますが私はここの街の教会で働いているプリーストのジャージーと言います。
えっと・・・ハルトさん??でしたよね――――――」
「ハイ、ハルトです・・・いやぁ~ジャージーが無事で本当に良かった。
で、ここへ来た理由は何かあるのでは??」
俺は長年のゲームプレイ歴での勘で、このイベントは何かオイシイコトがあると考え、ジャージーに話を聞くそぶりを見せながらテーブルに乗っているジャージーの丸いモノを見ていると―――――
「ハルトさん???聞いてますか??ハルトさん??」
「えっと・・・何でしたっけ???(マズイマズイ・・・ついついガン見してしまった―――――)」
集中のし過ぎでジャージーの話を聞き流してしまっており、再度話を聞くと・・・ジャージーは優しく話を最初からしてくれた。
「要点だけ言いますと、その・・・ですね・・・今日は特別な夜―――――」
「わかりました、任せてください!!
で、どこに行けばいいのですか??」
ジャージーの説明を全部聞く前に俺はすぐに返事をすると・・・ジャージーはこれから20分後に教会に来て欲しいと言って、手を振って酒場を出て行き・・・入れ替わるように気分がスッキリしたメルトと何だか気分を悪くしたキルりんが戻ってきた。
「あれ、さっき出て行ったのは今日助けたプリーストのように見えましたが・・・そんなことより・・・・ウうぇ・・・うぅ・・・気分が悪いデス―――――」
「キルりん大丈夫??って、言うか・・・ハルト・・・・
何でそんなにニコチャン笑顔なワケ??」
「いや、別に!?何でもない何でもない。
ホラ、いつも通りだろ??
で、キルりんは大丈夫なのか???」
メルトはいつも通りと簡単に流し・・・キルりんはテーブルに倒れ、コレは絶好のチャンでは?とハルトは考え・・・メルトに提案した。
「この状況だとキルりんが何も食べてねぇから適度に食べさせてやってくれ・・・そのあと・・・・ここの会計は俺に任せて家に戻ってアズラえると2人でキルりんの介抱してやってくれないか??」
「いいわよ!!!タダメシなら何だってやってやるわよ!!
そう言う事だから、キルりん早く食べて帰ってパパっと寝ちゃいましょ!!」
「うあぁぁうぅ・・・そんなに急かさないでください~~~ウェップ・・・・」
強引に引っ張りだしたメルトに揺られ・・・キルりんはとうとう限界が来たのか・・・酒場に置いてあったバケツに盛大に戻した声が聞こえ、俺は聞こえないフリをして会計を済ませて裏口から教会に移動した――――――
「我ながら完璧な作戦・・・そして、今夜・・・俺は大人の階段を―――――」
「あ、ハルトさん!!早く来てくれたんですね!!私、嬉しいです♪
それじゃ・・・さっそく中で・・・たっぷりと―――――」
ジャージーの発するワードで急に心臓が爆発しそうなほど高鳴り・・・ジャージーに手を引っ張られて中に入ると・・・・
「あぁぁ・・・・そこじゃソコ・・・ソコがよぅ効くんじゃ――――――」
「おぅおぅ・・・ここは天国じゃぁ・・・・」
「はッ!?なんじゃこりゃ!?
なぁ、ジャージー・・・
「え?話した通り・・・・今日は特別な夜で・・・お年寄りの揉み解しの日ですよ??この教会だけじゃ人手が足らなくて困ってたんですよ~~~それをハルトさんがすぐに手伝いに来てくれて、私・・・すごく嬉しいです♪
それじゃ、さっそく・・・このおじいちゃんからお願いします♪」
「おぉぉ・・・はようモミモミしておくんれぇやぁ・・・今日のために長生きしておったんじゃから―――――」
俺は何だかすごいイベントに巻き込まれたと残念な気持ちでいっぱいだったが・・・・ジャージーたちプリーストの前で逃げる訳にもいかず・・・必死にお年寄りの要望に応えて揉み解しを徹底的に行った。
そして、時間が来ると・・・お年寄りたちは自分の家にスキップしながら帰れるまでに回復していた。
「あぁ・・・もうダメ・・・腕がパンパンだ―――――」
「ハルトさん、お疲れ様です・・・・良ければ私が手の揉み解しをしましょうか?
コレでも自信があるんですよ??」
最後の最後でやっとまともなイベントが発生し・・・ジャージーに揉み解しを頼んだのだが―――――この時、俺はあまりの嬉しいイベントにジャージーの特性を忘れていた。
「それじゃ、モミモミしちゃいますよ~~~えいッ!!!」
「ギャーーーーーー痛い痛い!?それ関節技が決まっちゃってます!!
――――――――でも少しだけ柔らか・・・って!!!そんなこと言ってる場合じゃねぇ!!!」
ふにゅふにゅと柔らかいモノに少しだけ触れられたが・・・ベッド上で関節技を完璧に決められており・・・痛いと言う言葉をよく効いていると勘違いしたジャージはさらに力を込めてひねった。
「このままじゃ腕が取れる・・・何とかしたいがジャージーに暴力も震えんし・・・どうするか―――――」
「ハルトよ、お困りか??
お困りならばゴーストロードの私の魔法を使うがいいぞ。
呪文は「スリープ」・・・と、かけたい対象者に向かって言い放つだけで発動するが・・・魔力が少ないハルトでは1日に数回使えたらいいとこであろう・・・まぁ悪用せずに正しく使って欲しい、では――――――」
バロンが困っていた俺に助け船を出してくれたのはいいが・・・この状況をバロンが何とかしてくれた方が助かったと言いたい気持ちを押し殺しながら呪文を唱えた。
「くそ、こうなったら・・・・やるしかねぇ!!!
ジャージー・・・悪いが少しだけ眠っててくれ・・・スリーーープ!!!」
「はうぅぅ!?・・・・・んん~なんだか力がにゅけて・・・にゅふ~」
スリープがジャージーにかかり・・・腕をへし折られずに済んだのだが、このままジャージーをベッドに放置するのはマズイと考え、他のプリーストを大声で呼び・・・ジャージーを回収してもらうと俺は酷い目にあったとブツブツ言いながら家に帰って行った――――――――
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