異世界からの召喚は計画的に!サモンプランニング〜異世界に召喚されたのはオレかよ!?〜

天乃宇宙(アマノソラ)

~第一章~「召喚された異世界での日々」

1日目 目を開けば異世界だった・・・

世界はいつも理不尽である・・・夢も希望もも何もありゃしない――――――

ここは・・・日本の大都市、東京・・・ココで生まれてココで平凡に終わるのだと俺はそう思っていた―――――――


「あ~あ・・・ゲームの世界なら嫁も金も無駄にあるのに・・・現実は全然イージーじゃねぇ・・・って、おいおい・・・そっちに行くと―――――バカ!!

――――――くそ・・・コイツ、このゲームしたことあんのかよ??」

「―――――まぁ、そう怒るな・・・さん。

仲間はいる・・・俺が攻撃して、隊長がトドメ・・・このコンビネーションは永久不滅だろ?それに帰還すれば嫁が待ってる!!」

出会ったこともないプレイヤーとゲーム上で通話をしながら対戦を始めて数分後・・・今回の戦いは何とか勝利を収めたのだが・・・


「隊長お疲れさん、やっぱ2人だけでフリー参加はやはり危険だな。

と、そろそろ俺はバイトの時間だ・・・それじゃ、また明日。」

「おっつ~・・・・っと――――――

―――――はぁ・・・今日も学校に行かずにゲームばっかりしてたな・・・すっかり外は夜だし・・・ってか、バイトとか稼ぎにならないのによくやるぜ・・・」

俺はゲームからログアウトして台所に向かい・・・夕食ディナーであるラーメンを選び、湯を注いで食べて寝る・・・それが俺の最近の生活なのだが―――――まさか今日が俺にとって最後のしょうゆラーメンになるとは知る由もなかった。


「はい、ご馳走さん・・・やっぱラーメンが一番だな・・・

さてさて、最新ゲーム機の当選メールが届いていないか確認だけして寝るとするか。」

そう、最近TVで話題の怒髪天堂の新機種が発売されることとなったのだが・・・店舗での販売は人の集中や夜組の問題があり、抽選くじ形式での販売となり俺はその当選メールの確認が寝る前のの日課であった。


「くそ、迷惑メールが56通も着てる・・・毎回不明な内容のメールばっかり送ってくんなよな・・・・」

俺は迷惑メールフォルダに当選メールが振り分けてないか確認すると・・・なんと、見事に当選したメールフォントで書かれたメールが1通迷惑メールの間に届いていた。


「マジかよ、こんな理不尽な世界に嫌気がさしてたんだが・・・真面目にしてた日々の行いだな、うんうん―――――

さてさて、何をすればいいんだ・・・「厳正なる抽選の結果、鈴木春人すずきはると様は・・・等方の商品にご当選されたことを通知いたします。

これより、ハルト様のご住所と電話番号・・・下記のアンケートにお答えいただきまして、初めて登録の完了とさせていただきま―――――(以下略)」」

この当選メールを書いた人も焦っていたのか?と、色々とツッコミたいところが多かったのだが、嬉しさの余りどうでも良かった・・・そして、アンケートと書くべき所を全て書いて最後の同意すると言う項目にチェックを入れて送信した。


すると、程なくして・・・リロードマークをクリックし続けていると・・・迷惑メールフォルダに1通の新着メールが届き、展開すると―――――


「やっと登録完了のメールが届いたか・・・遅いんだって――――――」

俺はクリックしたと同時にあくびをした瞬間に違和感があり・・・ふと、目を開くと・・・なぜか体が仰向けに拘束されており、そこは俺の知っている自分の部屋ではなく・・・遠くから靴音が響き、がやってきた。


「こんばんわ、鈴木・・・ハルト?だったわね・・・まずは自己紹介を・・・

私は―――――――――」

「おい、ここはどこだ??

俺は自分の部屋にいたはずだぞ?

そうか、これは夢だ!!俺がこんな馬鹿げた夢を見るとは思わなかったが。

そこの・・・何だか・・・黒い髪の変な格好した気味の悪いヤツ・・・お前だよお前・・・もしも~し。」

靴音を響かせて近づいてきた黒い髪の女の自己紹介を台無しにして、声をかけると・・・プルプルと震えながら再び自己紹介を始めた―――――


「コホン、私の名前はメルト――――――――」

「いやいや、名前はいいから・・・・ここはどこなんだよ?」

二度目の自己紹介を台無しにされた黒髪の女は涙目になりながら俺の口を塞ぎながら無理矢理にでも聞こえるように自己紹介を始めた。


「私の名前はメルト・シルフォート・メイジスよ、貴方を召喚した偉大なる魔術師よ!!さぁ、ひれ伏しなさい!!ハルト!!!」

「もごもごも・・・・もごご・・・もごごご!!!」

その、偉大なる魔術師こと・・・メルトはふふんと胸を張りながらドヤ顔をしてから塞いでいた手を離すと・・・・


「いや、だからお前の名前何て今のところ何の価値もない!!!

それより、何度も聞いているがここはどこなんだ?」

「うぅぅ・・・召喚した主にこの言い草・・・何て言う種よ、ハルトって・・・」

何だか妙に意識がハッキリしているというか、し過ぎている感じが体に出始めたのか・・・変な汗をかきながらメルトに忠誠心のかけらもないカタコトで尋ねてみた。


「メルト・・・くッ・・・サマ・・・ココハ・・・ドコ、ナンデスカ?」

「や、やっと様って言ったわね!?遅いのよ!!!

ココがどこなのか?だったわね!!ここは、貴方にとって完全で完璧な・・・マルドゥクよ。

そして、ハルト!!!私があなたをここに召喚したマスターよ!!!

さぁ、ひれ伏しなさい!!!」

サマと言われた事が相当嬉しかったのか・・・何でもぺらぺらと話し、拘束を解くように語り掛けると・・・メルトは上機嫌に拘束を解くと、俺は言いたくもなかったストレスをメルトの頭にぐりぐりを捻じ込み発散させると・・・薄暗くするためのカーテンと窓を開けると・・・外の風景は地球上のどこでもない洋風RPGの様な風景が広がっており、痛みから解放されたメルトはお仕置きと言って不思議な呪文を唱え始めた。


「このダメで○○な使に主のてっつ―――――――いだいいだいよぉ~~やめふぇ~」

「で、メルトだっけか・・・俺の事を召喚したとか使い魔だとか俺に一体何をしたんだ??」

俺はメルトの口から手を離すと、メルトはよくぞ聞いてくれましたと言わんばかりに・・・俺に指をさしながら最近アンケートのようなものを返さなかったか?と尋ね・・・俺は一つだけ思い当たる節があり、メルトに聞き返すと―――――


「そのアンケートって・・・怒髪天堂の・・・当選アンケートか?」

「そう、ソレソレ!!!召喚術で現れた使い魔との手間を省くために契約書を送ったのだけれど・・・ハルトの世界じゃ住所とアンケートと同意のチェックだけの超超簡略的な契約書になっちゃってたけどね。」

と、メルトはクスクス笑いながら契約書をチラチラとさせ・・・俺はメルトの口を手で力いっぱい開き、バタつかせたメルトの手から落ちたアンケート用紙を拾い・・・読むと、そこには紛れもなく俺がアンケートで書いた文が書いてあった。

そして、その紙を破こうとしても力が加えられず・・・何かに引っ張られるかのようにアンケート用紙がメルトの手に移動した。


「これが、私とハルトとの契約書・・・私以外にこの契約書は破けないし破棄もできないわ。

それに、これにはハルトのが書いてあるのよ!!

えぇっと・・・あなたの好きなキャラのは何ですか?の欄には・・・

ロリからボインまで何でもOKって、ハルトって・・・スケベなのね。」

「おい!?人のアンケート用紙を読み上げるとかお前は悪魔か!!!

アンケート用紙って言うのは・・・心から思った純粋な気持ちを書くもので、ソレを利用して服従させるとかメルトの方が飛んだクズじゃねぇか!!!」

メルトはムカッとしたのか、次の欄のアンケートを読み始めた。


「アナタの今、欲しいモノは何ですか??(手に入らないとわかっているモノでも可)については―――――――――」

「おい!やめろ!?わかったから・・・お前の言う通りにするから!!!それだけはヤメロ!!!」

こうして、俺たちの微妙な主従関係が出来上がり・・・酷い事がない限りはアンケート用紙を使わない事を条件にメルトとの微妙な冒険?旅?なんだか不思議なことに巻き込まれることとなった―――――――



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