『深紅』

「もし私の目が片方だけ深紅だったら、どう思う?」

大真面目な顔をして、目の前に座る彼女が言った。

彼女はいつも、唐突に質問をして僕を困らせる。

「驚くけど、好きに変わりは無いんじゃない?」

普段通り適当に流すと、困ったように彼女は笑った。

彼女の糸目の奥に紅が見えた気がした。

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