『体温』

カチリ。電気ポットは音を立てる。

中に入った熱湯で、熱いお茶を淹れる。

傷付いた心は、温かいものを欲していた。

温かいものならなんでも良いと思っていたのだけど、お茶を飲んでも、布団にくるまっても、心の傷は埋まらない。

結局は君の体温じゃなきゃ、安心できないんだな。

そう思った一人きりの夜。

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