『桔梗』
君は憶えていないだろう。
遠い昔、僕らは愛し合っていた。
だが身分という壁が僕らを阻んだ。
けれど僕は君を諦めてはいなかった。
何度も生まれ変わって君を探した。
そして、ここで出会えた。
だから、今から君に声をかけよう。
「これ、落とされましたよ?」
あの日と同じ、美しい桔梗の花を添えて。
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