自由散文詩掌編『逢者定離』

坂上晴朗

一朝一夕

朝焼け空は赤染まり

今日は一段と赤染まり

紅染まる君の服


もとの色はなんだったろう

錆びた匂いに気を取られ

日のさす横顔、笑みのまま


陽射しは強く死を焦がし

今日は一段と肌を刺し

青白の君は在る容貌


名を呼ぶ声を指折り数え

名を呼んだ声を指折り数え


恋した数と

愛した数と


手を握った数に

顔を見た数

隣にいた数 わからない


「わからないなら数える指が足らないだけ」と

誰かの声が教えてくれる

 ――だから言う

「貴方に会えてよかった」と

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