第34話 そこな若人よ、思いの外早くとるぞ




最近とみに、なんですけれど。


例えばアニメの監督さんのインタビューとか。

声優さんとか。


お名前を検索すると、ああ昔こう言うの撮ってたのねとか。

思うんですが。


そこまではいいのです。


最近とみに、有り体な言葉を吐けば、「櫛の歯が欠けたよう」に、

ぽろぽろと亡くなられてる方がちらほらと。


バンドメンバーとかもね。


私がまだ若かった頃、元気だった頃って、まーだまだ現役な方が多くて、

強いて言うならバンドメンバーくらいかな、それでもえっ!?って言う、

なんで表向きはあんなにエネルギッシュな方が!?とかね、思ってましたけど。


齢もこの年になると、緩やかだった流れが、ちょっとだけ・・・

ちょっとだけ、勢いを増して、今現在に至ります。


ただもうこれはどうしようもないことではあるのだけれども、

思ってみれば私の親は、親世代の著名人とか有名人が亡くなられたとき、

こういう心持ちだったのかなと、スライドした脳内で思ったりします。


そこでタイトルの足りないところを。


若人よ、思いの外早くとるぞ「年は」。


私も若人の時代は「けっ!」とか思ってたよええ。


なってみてわかるんだ、いつの間にか年食っちゃったなってことに。


怖いぞー年食うことは。

今の科学や医学では、もう戻れないんだよ。


先はどうだかわからんが。


みんな生きて、元気で、あの役の中の人とか、ヴォーカルとかシンセ担当とか、

そういう多種多様な著名人が、気づくと亡くなってる現実を、

頭の中でどう処理しようかと、残された人間は考えるわけだ。


一番手っ取り早いのはまあ後追うことなんだろうけど、

良くも悪くも万人受けしないわな。


じゃあ残された人間はどうするか?と言ったら、もう飲み込むというか、

事実を受け入れることしかできないわけでね。


それでも、もし叶うのであれば、叶わないのは百も承知で、

私が代わりに逝きますから、閻魔様でも天使サリエルでもなんでもかまわないから、

生命線だけは異常に長い私のいのちを、どうかその人たちに分け与えてくださいと。


叶わないのだけれど。

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