第22話 好きなひとほど。(片麻痺編)



これ、昔っからそうなのか(事故前)、事故後なのかあやふやですが、

私ヒトの名前を覚えるのがダメなんですよ。


あ、声優さんとかは別枠で。


事故前はなぁ、私、下世話な話のもっていき方だと、男も女もok!な人で、

高尚な言い方(笑)するなら、男とか女とか考えなくて、

ただその人だから好き!って言う、今でいうところのパンセクシュアルかなぁ、

と自分では分析してますが、最初にお付き合いしたのが10コうえの女の人で、

まあ・・・そのころから腐女子まっしぐらで、彼女とサークル組んで、

ペンネームで呼び合ってて、と言うか、彼女が私呼ぶときは、

そのペンネームで呼んでました。


だけど私は、なんかこう・・・こそばゆいんですよね、

例えそれがペンネームであっても、


ほぼ10割近く「アンタ」呼ばわりしてましたっけ・・・


この当時はまだ、知ってても言えない状態でしたが、事故ってからこっち、

名前と顔が合致しないんですよね。


例えをいくつか。


私は一体何の障害を持ってるんだろう、って言うのを調べに、

あちこち結構行ってた時期がありました。

役所にも行ったし、そこで紹介してもらった作業所にも行きました。

それとは別のNPOにも行きましたし、NPOを転々としてた時、

スタッフさんの名前がほぼわからなかった。


顔見ればああ!あの人!ってわかるの一発で。

ただ名前がね・・・


もうひとつ。


両親がまだ健在なころ、一緒に私たちと暮らしていたころ、

マンションの敷地内に、デイサービス所があって、

昔からこれならおとたまもおかたまも、もし、の時いいねーっていいましたら、

その「もし」がきちゃって、じゃあデイサービスお願いしようとなって、

スタッフさんとケアマネージャーさんといろいろ来たんです。


そこに私も同席しまして、それぞれ名刺をいただいたんです、が!


・・・名刺だけではイメージが浮かばず・・・


顔を見たら、あ!あの親身になってくれたスタッフさんだとか、

わざわざ母親の症状を聴きに病院まで来てくださったケアマネさんだ、

とかわかるんですけどー!


さらに。


今からそうだなあ、10年以上前に、

テレビで片麻痺の患者さんがここまで良くなった、ってのをみて、

藁にもすがる思いで行ったら5時間待ちで・・・


んなのはいいんだ、初診だし。

で、いざ私の番だ!ってなって診察してもらったら、

その先生は「こんだけやわらかいからやんなくてもいんじゃない?」と言って、

それでもMRIは撮って、片っぽの脳が委縮しちゃってるでしょ、と。


その先生の名前は覚えてるんだ。


ただ、じゃあリハビリでもやってく?と、あまりにもしゅんとした私に言って、

隣のリハビリ担当の先生「の名前」が今でもわからんー!


どの人も、特別だとか好意を持つと覚えられないのかな。


せちがれえ・・・


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