第二章 ソムニウム

第11詩 澄み切った淀み



ドブの中にある転がるリンゴ


コロコロ流れる心のように


ドブに捨てたポケットの中身


流れもしない淀んだ心のように


自由にもなれやしない翼を持つ不器用な鳥よ

飛ぶ怖さに震える不自由な翼を持つ鳥よ


澄み切った空を見上げて 不自由な鳥たちよ

荒み切った泥を見下ろして 鳥よ 滑空せよ さすれば飛べるだろう


ドブの中にある転がるココロ


リンゴのように流れ続ける


ドブから救い上げたポケットの中身


流れもしなかった淀んだ心のように


自由にも飛ばさない翼を持つ器用な鳥よ

飛ぶ怖さに震える自由な翼を持つ鳥よ


淀み切った空を見上げて 自由な鳥たちよ

澄み切った泥を見下ろして 鳥よ 滑空せよ さすれば落ちるだろう


自由に飛んで 不自由に飛んで

澄み切った淀みのように 空はいつも曇り 晴れている

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