個人企画参加用
ラズベリーパイ
第一章 企画名「高難度、挑戦者求む! 千字と三千字で同じ物語」(陽月様)
第1話(1000文字程度バージョン)
私、フルーレ・マフィンは公爵令嬢と呼ばれている。
だが最近新しい名前が追加された。
その名は“悪役令嬢”。
なんでも婚約者を“死”に追いやったから、であるらしい。
だが私は言いたい事がある。
だって私の婚約者、リネン・ドロンは、
「……死んでいないし。というか死んだことにしましょうか、という事で話の決着がついただけだし。それで婚約破棄になったはずなのに、なんで私がそう呼ばれるのよ! やはり堂々と婚約破棄してもらわないとダメね」
私はそう呟きながら自分の婚約者を思い浮かべた。
今すぐ詰め寄って、アッパーカットを繰り出したい衝動にかられたが残念ながら、かの人物は私の目の前にいない。
代わりに私の目の前にあるのは大きい荷物が一つ。
そこに魔法使い用の杖を一本さして、
「これで準備は完璧ねさあ、行きましょうか!」
私はそう叫んで、その荷物を背負って外に出たのだった。
フルーレ公爵令嬢の幼馴染のカルネは、現在とある決意をもって公爵家にやってこようとしていた。
「うん、今日こそは俺が頑張るとき。この手紙が大切だ」
そうひとり呟いたカルネだがすぐにその手紙を本人に渡すことなく、屋敷から出てきたフルーレに連れられていずこかに連れていかれてしまう。
だが、天は彼を見捨てていなかった。
「あら、これは何かしら」
そう言ってフルーレの母が手紙を拾うと、それは新しい婚約のお願いの手紙だった。
それを見たフルーレの両親は、カルネの両親と新しい婚約の話を始めることにしたのだった。
そんな背後の事情は知らず、私、フルーレはカルネを連れてとある村にやってきていた。
これは全て私の魔法によるものだ。
「ここに私の婚約者のリネンが、私のライバルであるリアと一緒にいるのね!」
「……仲がいい所を邪魔するのはよくないのでは」
「まずは“悪役令嬢”の悪名をなくさないとね!」
私はそう返すと、カルネは沈黙した。そして、
「リネンに未練があるのか?」
「ないわよ。一発殴らないと気が済まない程度に大好きよ」
そう返して、私は魔法で調べたとある場所に向かう。
だがそこで私とリアと遭遇し戦いになるが、そこでリアがカルネに、
「本当に、リネンにフルーレがとられていいの? そうされたくなかったらフルーレを羽交い絞めになさい」
というリアの言葉にカルネが従い取り逃がす。
その後も二人を追いかけて行って、私がカルネが気になったり、リネンとリアと和解したり、カルネが気が付けば新たな婚約者となっていたのを知るのはまた別の話である。
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