キミにノックアウト

カゲトモ

1ページ

 俺の目の前には、とんでもないものがある。

『はなちゃんってさ、いろんなお店回るの好きよね?』

 酒を作るセンスを磨くため、また話題のため、俺は色んな店に足を運んでいる。レストランや居酒屋、バーは当たり前で、美術館、博物館、映画館、雑貨屋や公園まで、店を開けている時間以外は何かを吸収するために動いている。

『でさ、はなちゃんに紹介したい店があるんだよね』

 ミケは唐突にそう言った。この間の居酒屋で。

『ほら、好きだったわよね、あれ』

 そう言って紹介したのはつい最近出来たカジュアルなダイニング。最寄駅から三駅離れたところにある。

 落ち着いた佇まいのその店はシックな家具で統一されていて高級感があるが、敷居が高すぎず女性グループでも、家族連れでも、男性一人でもゆっくりと食事がすることが出来そうな空間だ。店員の態度もとてもいい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る