遊園地

QUKRI

前篇

 わたしは、きょうは、とってもとってもたのしみなので、きょうはねむれそうにありません。なぜなら、あしたはマイちゃんといっしょに、ちょっとだけとおくにあるゆうえんちに行くからです。だから、のわたしは、ちょっとおかしかったかもしれません。それくらいわたしは、とってもしんぞうがドキドキして、わくわくしていました。でもたぶん、ドキドキはそれだけじゃありません。わたしのおかあさんも、マイちゃんのおかあさんもいっしょにくるはずだったのに、きのうとつぜん、こられないといわれたのです。たぶん、ふたりだけでとおくへ行くことはなかったので、不あんなんだとおもいます。それもあって、わたしのめはよるおそくまで、ぱっちりでした。


 けっきょく、わたしはやっぱり少ししかねむれませんでした。でも、いつもにないくらいげん気です。なぜなら、はマイちゃんといっしょに、ゆうえんちにいくからです。おそくにねて、早くにおきてしまったので、ちょっとねむいですが、それよりも楽しみなのと、ちょっと不あんなのがかちました。そして、おかあさんがつくってくれたおにぎりをほおばりました。

 そうこうしているうちに、マイちゃんがくる時かんになりました。わたしは、ちょっとどきどきしながら、ドアについてる、ありさんくらいしかとおれないくらいちいさいまどから、そとをのぞいてみました。するとマイちゃんがこっちにむかってあるいてくるところでした。わたしは、あわててパジャマからおきにいりのまっしろなワンピースにきがえて、ピンク色のリュックサックをもって、いそいで家のドアをあけて、とびだしていきました。

「マイちゃん!」

「わっ!びっくりしたー…。」

「ごめんごめん、だいじょうぶ?」

「うん、だいじょうぶだよ!」

会っていきなりごめんなさいしないといけなくなったので、わたしとマイちゃんは、目をみあわせて、あははっとわらいました。

 そのあとわたしたちは、えきにむかってちょっとだけ急ぎながら、むかっていきました。


 えきにつくと、わたしたちはきっぷを買わないといけなかったので、しかくいボタンがいっぱいでてるがめんのとこへ行きました。でも、わたしもマイちゃんも、おかあさんとしかえきに行ったことがなくって、ふたりともきっぷの買いかたがわかりません。そこで、わたしたちは、きっぷをいれたらがちゃんってあくきかいのよこにいたおじさんにたすけてもらうことにしました。

 おじさんはゆうえんちの名前を言って、わたしたちがお金をわたしたらあっというまにきっぷを買ってくれました。ちゃんとありがとうを言ってから、かいさつき(きっぷを入れるとがちゃんってあくきかいのことらしいです。)をとおって、もうとびらをあけて待ってくれていたでん車に乗りました。


 でん車の中では、マイちゃんのきらきらしてるストラップのはなしや、ヘアピンのはなしをしていましたが、おりるえきのことがしんぱいで、さいごの3えきくらいになったときからふたりともあまりしゃべらなくなっていました。


 えきでおりてかいさつきをとおると、ごしんせつなだれかさんがゆうえんちの方こうをさしたかんばんをつけてくれていました。『ここからすぐ』ともかかれていたのでわたしたちはとても安心しました。そのとき、外がものすごくあついことに気がついて、もっとずっとあつくなるくらいあつい、あついといいながら、でも、わらいながらゆうえんちへ向かってあるきました。


 ゆうえんちにつくと、まずにゅうじょうけんというきっぷを買わないといけません。でも、こんどはおねえさんのほうからこっちへ出てきてくれて、ちょっとすると、

ですね」

とこえをかけてくれました。おねえさんはわたしたちからお金をうけとると、またうけつけのほうにもどってって、ちいさなきっぷをわたしてくれました。なぜだかわからないけど、おねえさんはすこしかおをしていました。


 わたしたちはまず、コーヒーカップにのることにしました。のるとぐるぐるまわるやつです。わたしたちいがい、おきゃくさんがいなかったので、とてもすいていました。マイちゃんは、わたしよりもまわすのがはやくって、とってもぐるぐるまわって、おもわずわたしは、

「きゃー!」

と、大ごえをだしてしまいました。でも、わたしのかおはたぶんとてもわらっていたので、マイちゃんもじぶんでまわしたくせに、わたしとおなじように、

「きゃー!」

とさけんでいました。でも、やっぱりふたりともとってもかおをしていたとおもいます。


 つぎにわたしたちは、さっきのでちょっとつかれてしまったので、くまさんのかたちのやねのある、ベンチでやすむことにしました。ずっとそとはあつかったのですいとうのはん分くらいのおちゃをのんでしまいました。ちょっとひといきつくとマイちゃんは、

「つぎなににのる?」

 ときいてきたので、わたしはおもわずおおごえで、

「ジェットコースター!」

 とさけんでしまったので、マイちゃんはちょっとおどろいてしまいました。わたしがおどおどしていると、マイちゃんはにっこりわらって、

「じゃあ、行こう!」

 といってくれました。わたしたちはまた、ちょっとだけ急いで、ジェットコースターのほうへ走っていきました。


 ジェットコースターにつくと、わたしは、じぶんでのりたいといいましたが、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、ドキドキしていました。なぜなら、わたしはジェットコースターにのったことがなかったからです。でも、まえからマイちゃんもメグちゃんも、たのしいといっていたので、のりたいな、とおもっていたのです。でもなんか、しんちょうせいげんっていうのがあって、のれないかもでしたが、ふたりともギリギリオッケーだったそうです。わたしも、マイちゃんもよくわかりませんでしたが、よかったとおもいました。あと、ジェットコースターもだれもおきゃくさんがいなかったので、すぐにのれました。そのあいだもわたしはずっとドキドキしていました。

 そして、ジリリリリリっとしゅっぱつの合ずがなって、かかりのおねえさんにかたにはめるやつをしてもらいました。そしたらもうすぐに、ジェットコースターはうごきはじめました。となりのマイちゃんは、

「いちばんまえだね!」

とうれしそうにいってくれましたが、わたしはそれどころではなかったので、

「そうだね」

というと、だまりこんでしまいました。

 かっかっかというおとがなりつづけて、どんどんあがっていきます。しょうじきこのときはこわかったです。

 いちばんてっぺんまでのぼると、ジェットコースターはいっきにびゅんと、きゅうこうかしました。そのしゅんかん、わたしのしんぞうは、びびりのドキドキからたのしいのドキドキにかわりました。だから、わたしは、

「きゃー!」

を、さけんで、さけんで、さけびました。とってもたのしかったです。


 ジェットコースターからおりると、マイちゃんはいませんでした。おかしいな、とおもいました。さっきまでとなりにいたのにな、とおもいました。だから、かかりのひとやおとなのひとにこえをかけましたが、みんなあんなにえがおだったのに、みんなかなしそうなかおをしてだまりこんでいました。なので、わたしはひとりでいました。

 マイちゃんのなまえをなんどもよびました。コーヒーカップや、ベンチ、ブルーシートのところでもよびました。でも、まいちゃんい外のへんじすらきこえませんでした。

 もう、わたしは心ぼそくなってしまいました。そのうち、おかあさんがきてくれる、そしてマイちゃんをみつけてくれる、とおもうしかありませんでした。



 せかいでひとりになったわたしは、またひとりになりました。

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