第2話

という訳で部室。中にはただならぬ雰囲気の男女、俺と扉の人。総勢6名にも及ぶ。思ってたよりなかなかの規模の部活のようだ。


「みんな、この子新しい子だよ~!」


「扉の前ではしゃいでて今更紹介って...なぁ兄貴?」


「分からないよぉ?彼女は発明のしすぎでおかしなものを見ているのかもよ?」


「一理ある」


「「なはははは!!!」」


「ねぇ?聞こえてるよ?酷くない!私は部長!もっと敬いなさい!!」


「「へーへー」」


そっくりな二人の男が扉の女をからかって__というか、そんなのはどうでもいいくらいには似ている....双子だとしても、同じ人が二人居るみたいだ。というか『ほくろ』とかの位置まで同じに双子ってなるものなのか?


「っと、そんなことしてる暇はなくて....えっと、まずはみんなを紹介しようか。あ、じゃあこれでいいや、これに座ってて!」


手渡されたどこにでもあるパイプイス。体育館で座ったようなボロでなくて新品だった。ささやかな歓迎ということだろうか?


「よし!じゃあ、行きましょう。誰から行く!?」


そういった部長と言われる女を、椅子に座っている全員が指さした。


「げぇ、私?大鬼おおきくんとかやってよ...」


「先輩、俺は事情ゆえに中学の時点から入部していたようなもの。ならば、もはや貴女と同等の権限を持つということです。すなわち、俺は4番目です」


「えぇ何それ...じゃあそこの双子は?」


「僕ら?僕らは2番目でいいよ」


「双子だからね、ツインズツインズ!」


「ハナちゃん、諦めてささっとしちゃった方がいいよ?あ、私は6番目で!」


のっけから何て団結力の無い...まぁ、それでも悪い雰囲気ではなさそうだし、きっとこういうアレだ、裏で打ち合わせてたか何かだろう。うん。


「ぐぬぬぬ...レリア覚えてなさい....」


「あらあら、怖い怖い」


というかその前に二人ほど名前が分かったぞ?なんだこの筒抜け状態は....大柄で俺と同じ学年色の上靴__同級生だったのか!?ええと、そんな彼が大鬼くん。で、そこの英国のお姫様っぽいのがレリア....学年色的に一つ上の先輩か...何かお金持ちっぽい感じだなぁ。


「まぁ、仕方ないわ!私から行くわ!みんなあとに続いて!!」


ポンコツっぽいのがハナちゃん部長か。何だろうな...下の名前がハナから始まるのかな?だとすればトイレに住んでる霊みたいな名前だ。


「私ははなぶさ国香くにか、ここの部長よ、開発なら誰にも負けられないから、よろしくね!」


「よろしくおね__「ちなみに、ハナちゃんのお胸はFカップなのよ~」


がっ!?うぇっ!!ゲホッ!!ゲホッ!!」


「なななな!!なんで!?なんで今!?」


「そうですよ!なんてこと言ってんですか!!」


「あら?まずかったかしら?私はレリア・クロスホルムって言うの、よろしくね~私はDカップよ~」


「あぁ、どうも。小振りながら綺麗な形で___って違ァァァう!!!」


なんだ、なんだこの部にはそんな決まりがあるのか!?なぜ胸のサイズを自己紹介で言う!?



「うわ、ビックリした!?」


「兄貴、新入りは強者かもしれんよ...」


「「あ、そうだ。僕らは軽井兄弟カルイブラザーズ!!」」


「僕が兄貴の軽井かるいかける 」


「そして僕は弟の軽井かるいとべるだよ~!」


「「似てるけど間違っちゃダメだぞ~!よろしく、新入り~!」」


そっくりな双子。ついついまじまじと見てしまう。が、違いは上手くは見受けられない....


「あの、見分ける方法って....」


「安心しろ。俺が作ったこのワッペンを付ければ人の名前が分かる」


と、後ろから声をかけられた。先ほどの大柄な男。


大鬼おおきだ。大鬼おおき新千重あらちえだ。同じ学年同士、仲良くしよう」


「あ、あぁよろしく。この部はいつもこんな感じなのか?」


「奇人変人に思うかも知れないが、先輩らは全員何かしらに貢献しているんだよ。意外にもというべきかな?」


「意外にもってなによ~!!」


「「そーだ、そーだ!!」」


「あらあら、大鬼くんは冗談がお上手で」


「....大丈夫。あと二人先輩はいる。生憎、今日はいないがな....きっと、お前から見れば落ち着いた人だと思う。多分....それより、お前は名前は?」


「え?あ、俺は修田院 一です。一応、入部希望...というかほぼ決定って感じです。あははは...」


「へぇ!修田院!『現代のアインシュタイン』のご親戚?」


「え?」


俺の祖父を部長は知っている?一体どういうことだ?


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