絶望桃源郷
おはなみ
夢を見た
日本を代表する文豪の真似事をするわけではないが、夢を見た。
大学生活後半、絶賛就活中、10月。半ば諦めつつだらだらと履歴書と卒論を往復する毎日が、質のいい睡眠をもたらすわけがなかった。浅く眠っては記憶に残らないような風景を見たり聞いたり歩いたりする毎日の中で、その長い悪夢は一際明るくて暗くて、こんな具合に文章にでもして吐き出してしまわなければ一人で抱えこみたくもないような、寒いものだった。
絵本にでもしたい気分だが、生憎と私には画才がない。
これは小説でもない。エッセイでもない。しいて言うなら日記かもしれない。ただ聞いてほしいというだけの、はきだめのような夢日記だ。
私はいつか、またあの場所に行く日が来るような気がしている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます