妄想世界

小野寺鐘撞

輪廻転成

雨水は植物に吸収され、その元素は植物を駆け巡る。


ある植物はそのまま生涯を終え、またある植物は刈り取られて家畜の餌となる。


家畜は肉片にされ、私はスーパーでそれを買う。


その家畜の元素は私の身体を作り、電気信号となって一つの自我としてまとまる。



「前世なんてあるか。」


そう言っていた私も今は棺桶の中。


火に焼かれ、灰になり、元素になり、風に任せて飛ばされて雲に溶け込む。


雨となって大地に降り注ぎ。そして…


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