妹を監禁しながら妹に監禁されてる俺と妹の監禁生活♡

ねる

プロローグ

プロローグ『俺達の現状はこんな感じです』



 先に言っておく。これを聞いてドン引きするだろう。だけどドン引きしないで落ち着いて最後まで聞いてくれ。



 ーー俺は妹を監禁した。



 は?お前犯罪じゃん、と言われるだろう。確かに、確かに一理ある。一理ありすぎる。



 だが聞いてほしい。

 お互い合意の上で監禁をしたとしたら、それは犯罪に含まれるのだろうか。



 監禁って言ったら、鎖で手足を縛って檻に閉じ込め放置する様な物を想像するだろうが俺はそんな事絶対しない。



 なら、具体的にどうやって監禁をしているのかと疑問を抱いた人も居るかも知れない。

 鎖で拘束したり檻に監禁したりせず、何をしているんだテメェと殴りたくなる気持ちも出てきた頃合だろう。

 なあに、時期わかるさーー、




 多分朝だと思う。

 今起きたから、だから朝なんだろう。

 俺はベッドから起き上がり洗面所へと向かおうとしたが妹に止められる。



「お兄ちゃん、いかないで」



 可愛らしい小さな声で俺の左手に細い指を絡ませ、ウルウルした輝いた目、微かにニコッと笑った顔を俺に向ける。

 絹の様に艶やかなブロンドロングヘアを靡かせ甘い吐息が聞こえてくる。

 身長は俺の肩より少し低いぐらいだ。



「ななのこと、もっともっとぉ……」



 ななというのは俺の妹ーー白崎奈々の事である。

 二つ下の妹は街を歩けば十人中十人が振り向く程の美少女なのだ。到底我が妹とは思えない。



「独り占めして……ななは、お兄ちゃんのこと、すき」


「まあ、俺も奈々の事好きだよ」


「えへへ、嬉しいっ」


 絡ませた手にほんの少し力を入れる奈々。同じ生活をしているのに何故こんな甘い匂いがするんだろう。と思いながら俺は部屋を何となく見渡した。



 真っ白な壁にはコンセントと電気のスイッチしか無く窓や扉は無い。真っ白なベッドが一つ、ガラス張りになっているお風呂、トイレが一つずつある。

 今のところタンスや冷蔵庫に服や食料が二日起きに補充されるみたいだ。

 それ以外何も無い部屋。


 そんな部屋に俺は奈々を。奈々は俺を……




 ーーお互い監禁しあった。




 察しの良い方は察しただろう。

 俺はこの部屋から出れない、奈々もこの部屋から出られない。





『あんた、奈々に話しかけないで、ほんときもい』

 なんて事を一週間前までは言われていた……と言っても信憑性が薄いだろうな。


 何故こんな部屋に居るのか、何故こんな事になったのか、それは遡ること一週間前になる。

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