紅い靴

 君が見つめていた紅い靴。君の笑顔が見たくて、バイト代を貯めてやっとプレゼントした。似合うでしょ、とくるり回る君は可愛かった。


 隣にいるのが当たり前になった頃、君は僕の前から消えた。

 玄関には、履き古された紅い靴。

 笑顔が見られれば、それだけで良かったのに。最後に見た君の頬は濡れていた。

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