あめいろのシアワセ
カゲトモ
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びゅうぅ、と風が吹いて背中に悪寒が走った。
「っくし」
ベタにくしゃみまで出た。なんなんだよ、もう。
今日は雨が降る予報にはなっていたが、曇っていただけで全然降る気配が無かったから油断した。買い出しに出た瞬間に雨が降るなんて。しかも豪雨。
「日ごろの行いが悪いからか?」
まったく、神様はどこに目を付けているんだ、なんて。
「うーさむ」
昨日までは夏に戻ったかのような暖かさだったのに、今日は何だこれ。冬か。薄手の五分袖とか失敗した!
とりあえずさっさと買い物を済ませてしまわないと。身体が冷えてしまって本気で風邪を引いてしまう。
「えーっと、買い出しは何だっけ?」
ジーンズの後ろポケットに入れてあったメモ帳を取り出す。最近はスマホのメモ帳を使いこなしている人もいる(ミケは以外にもこっち派)が、俺はやっぱりアナログでないとダメだ。スマホをいちいち開けるのが面倒だし、紙だったらたとえ落としてしまっても割れないし雑に扱えるし(風で飛ばされたらそれはもう運命として受け止める)とまぁ、紙にメモをする方が俺に合っているという訳。
メモに走り書きしてあるのは、食器用洗剤、キッチンペーパー、ラップの日用品と、頼んでいた酒、それから果物。キッチンペーパーはまだ余裕があるから、晴れている日に買うとして、酒はどうしようかな。傘もないし、頼んで明日持って帰ることにしようか。
「薬局と門脇君とこか」
かどわき青果店へ行くまでにある薬局へ寄って洗剤とラップを買う。あ、あとのど飴。風邪とまではいかないけど、とりあえず用心で。喉を乾燥させてはいけない。店の加湿器はいつからつけようかな。
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