ご当地防衛アイドル☆ドロシードールズ

作者 寝る犬

5

2人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

時に西暦2026年。「思念資源」の発掘を境に世界のパワーバランスは崩れ、日本は他国の思念エネルギー兵器による未だかつてない侵略の危機に晒されていた。法の網に出撃を封じられた自衛隊に代わり、国土防衛の任に就くのは、人々の応援をエネルギーに変えて戦う「ご当地防衛アイドル」!
現役アイドル・あさひの戦いに巻き込まれた少女まひるは、成り行きでアイドルデビューを果たし、猛烈な声援を受けて敵に立ち向かうことになる――。

……という導入、というかこれが全てなのだが、僅か13,000字の文量の中に凄まじい熱気と突っ込み所が詰め込まれた、出落ち小説の見本のような作品。
「アイドルが敵と戦う」という着想の作品に「ファンの応援が力になる」というギミックが付いてくるのは、おおかた十中八九誰が考えてもそうなる最適解のようなもの。
本作もそれに違わず、ファンが応援アプリを通じて送った「イイネ」がアイドルのエネルギーに変わるという設定になっているのだが、戦闘シーンの大半を占めるこの「イイネ」の描写がとにかく圧巻。ニコニコ動画を思わせるオタク全開の応援コメントが、「あさひちゃんかわいすぎだろ!」だの「おぱんつ!」だの「88888888」(拍手の意)だの縦横無尽に画面を埋め尽くし、もはや小説を読んでいるのか動画サイトを見ているのかわからなくなるくらい。
「まあ、現実にこういうシステムがあったらこんな風になるよなあ」と否応なしに納得させられる熱量を持っている。

序章だけにしておくには惜しい作品だが、作者さん曰く「いつか続きを書きたい」とのこと。イイネの準備をしながら私もそれを待っていますよ。