第13話 最後にかあちゃんに会いに行く(その2)

りも暗くなってきた。


 かあちゃん、今日の仕事も終わりだな。あとは、着替えて、うちまで自転車で帰るんだよな。気をつけて帰れよ。


 今日は一日かあちゃんのそばにいたよ。


 そろそろ俺も意識が曖昧になってきたので、ふるさとに帰るね。

 まあ、下界では、俺は俺なりにいろいろあったけど、しばらくこっちの世界でゆっくりしてるから。かあちゃんは、元気にやるんだぜ。  

 ところで、かあちゃん、駐輪場で何やっているんだ。ひとりでゴミひろってんのか。

 やめときな。仕事終わったらとっと帰んな・・・無理すんな・・・神様だって、そんなところまで・・・見ちゃいないぜ。


 それから、かあちゃんの鞄に・・・つけてるの・・・昔、俺の鞄につけていた・・・キーホルダー・・・かあちゃんと旅行・・・俺が土産で・・・ 


 ダサい・・・やめとけ・・・もっとおしゃれ・・・


 自分の人生・・・生きろ・・・かあちゃん・・・


 意識が遠のいてきた。いつしか魂が泣いている。


  オレハ・・・


  マダ・・・地上デ・・・


  ヤリノコシタ・・・コトガ・・・アル


 それが最後の意識だった。

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