2018.03

3.11「chats」




海の前のスターバックスに行った。店の中に

何匹も猫の姿が見える。店の猫の名前は知ら

ない。カウンターの上を歩いてきた長毛種が

私の膝に降りる。黒猫が通り過ぎる。「ジュ

ール」詩人の名前で猫を呼ぶ。灰色の長毛種

はめんどうくさげに顔を上げる。トラ猫が目

の前の海を遮る。読んでいた詩集を閉じた。





―――――――――――――――――――🐈





昨日も今日も夕方まで起き上がれない。とて

もいい天気だから、明るいうちに外に出たい

な。まずは何か少し食べないと。空想の中の

あるはずもないカフェで猫たちと過ごす。膝

に載ってくれたのは昨日久し振りに話した子

。三月十一日。確実に春は来ているし、忘れ

たいことも忘れられないことも抱きしめて。




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