10.10「father」
一つだけ、父との良い思い出がある。小学校
の夏休み。台風が直撃して雨戸を閉じて眠っ
ていた。「台風の目に入った」。父が私を起
こした。生き物の目を想って外に出る。雨も
風も止んでいた。夜明けの生温い大気。線路
の向こうに白いアーチが光っていた。分厚い
雲に縁取られた、巨大な分度器のような空。
――――――――――――――――――――🐈
これも『from TABLET』から。最
初に書いたときは「140文字におさまらな
いから」とツイートではなく掌編集に投稿し
ました。おさめられるようになった今、少し
は成長したと言えるのでしょうか。父との良
い思い出は、考えてみるとほかにも少しある
気がします。今すぐには思いつきませんが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます