9.20「13 ans, été」




郡大会の初戦は事実上の決勝戦だった。優勝

候補の二チームのバッシュが床を擦る音。ボ

ールが跳ねる音。止まない声援。同点と二点

差が繰り返される。どちらが勝つのか分から

なかった。同点のラスト一分でシュートを決

めたのはO校だった。二点差。ゴール下、H

校のスローインでボールがコートに戻った。





マンツーマンディフェンスの中、ボールがセ

ンターラインを超える前に試合終了のホイッ

スルが鳴り始めた。O校ベンチで歓喜のタオ

ルが舞った。H校のキャプテンが投げたボー

ルが長い弧を描いて飛んでいく。ホイッスル

の音が変わり、審判が三本の指を立てた両手

を挙げる。H校のベンチでタオルが舞った。





―――――――――――――――――――🐈





中一の夏休み。開場校の部員だった私は得点

係をしていました。トーナメント表の初戦は

、どちらかが優勝するだろうと言われていた

二校の名前が並んでいました。大会初日。O

校対H校の試合前に、他の中学の部員や顧問

たち、男子バスケ部の顧問と仲が良かった野

球部とサッカー部の顧問も観戦に来ました。





バスケは1ゴール2点ですが、3ポイントラ

インの外側から決めると3点になります。3

ポイントシュートが放たれると審判は親指・

人差し指・中指を立てた片腕を掲げます。試

合終了直前の超ロングシュートが奇跡的に決

まり審判が両方の三本指を挙げました。O校

の三年生にとって中学最後の公式戦でした。




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