短編集
カオス饅頭
SF のっぽ隊長
銀河の海を泳ぐ、巨大な機械人形が見せる、幾千もの命の粒達。
宇宙から見れば無に等しい彼等だが、それでもそれぞれが必死に戦っていた。そう、人の乗り込んだ機械人形達は戦争をしているのだ。
そんな機械人形を収容する空母があった。
潜水艦と似た機能を付けたかった為、シルエットはエイに似ている。
エイの中に人影ふたつ。黄を基調とした宇宙服を着た、ノッポとチビが居た。チビは大きく動き、ノッポを止めようとしている。
しかし、ノッポは無機質なヘルメットの向こうからカラカラと笑っていた。
「お辞め下さい、隊長殿!危険です。
今、隊長殿が行ってしまうと、隊長殿にとって取り返しのつかない事が起こってしまいます!」
「ん、そうか。でもこればかっかはなぁ」
部下の言葉を信じていない訳ではない。だが、塵芥のような命を救う為に英雄は行かなければいかないのだ。
この部下は昔から予言じみた直感が優れていた。ならば何かが起こってしまうのだろう。
しかし、彼は己の腕で運命が切り開ける事を信じている。
「じゃあ約束だ。俺は生きて戻ってくる」
◆
彼は生きて戻ってきた。
しかし空母があった場所には鉄の藻屑が漂うばかりであった。
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