マグナムボトルになりたいオレ
志田 新平
第1話
ワイングラスに白ワインは注がれかねた。
一
初エッチ。それは甘美な響きだった。
「ユ、ユーコ先輩っ、優しくお願いします」
「いいよ、来て、久我君」
安いひなびた民宿の一室。六畳一間の部屋に布団が二枚敷いてあった。現時刻は夜の一時。
部屋は真っ暗でほとんど何も見えない。だがその分、オレはユーコ先輩の肌の温度を感じていた。
高二でついに童貞卒業か。
オレは高まる胸を必死に落ち着けようと、深呼吸をする。が、ダメだ、全然ダメだ。初めてネットでエロ画像を見た小学生の時、あるいは道端に捨ててあったエロ本を偶然読んだ中学生の時と比べ物にならないほど、オレの胸は猛烈に燃え上がっていた。
端的に、ありていに、下世話に言えばムラムラしていた。
そりゃそうだ。夢にまで見た実物がそこにあるのだから。
ゴクリ、とオレは生唾を飲む。
「ほら、ボサっとしてないでパンツ脱ぐ」
「はいッ」
オレは意を決してズボンごとパンツを下ろした。
「久我君…………それ……」
ユーコ先輩が戸惑った声をあげた。
「え? 何ですか」
「小っさ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます