作戦会議の章

第16話  大切な

「はあ~。疲れた。」家のドアの鍵を開けながら小さくつぶやく。家に着いてソファに座る。時計を見ると、もう午後8時を過ぎていた。

「やば、ご飯作ってない!」急いでキッチンへ向かう。すると、千夏が脱衣所の方から出てきた。

「お姉ちゃん、おかえりー。」

「ただいま。ごめんね。今からご飯作るから、ちょっと待ってて。て、髪拭かないとだめじゃない。タオル持ってソファに座って。」

「うん、分かった。」そう言って千夏は脱衣所へ戻る。その間に私はパスタを茹でる。

「お姉ちゃん、持ってきたよ。」

「はーい。今行くね。」ソファへ向かう。千夏の髪をそこで拭いてあげる。

「お姉ちゃん、最近忙しいね。だから私、お手伝いしたいの。私にできることがあったら言ってね。」

「ありがとう。ほんとにできた妹だなー。このー。」少し乱暴に髪を拭く。

「もう、今日のお姉ちゃん変だよ~。」えへへ。千夏が笑う。私もつられて笑う。

「はい、終わり。タオル洗濯籠に入れてきて。」千夏は、はーい、とまた脱衣所に行く。

「あ、そうだお姉ちゃん聞いて。今日学校のテストで100点取ったんだよ。」千夏はどや顔をする。持ってくるね。と寝室へ。ランドセルから連絡袋を取り出して、一枚の紙を私の方へ持ってくる。

「ほら。どうだ。すごいでしょ。」

「ほんとだ、すごいね。」千夏の頭を撫でる。

「お姉ちゃん。」うん?と聞き返す。

「なんかキッチンの鍋からお湯こぼれてるよ。」

「うそ。やっば。忘れてた!」慌ててキッチンへ。火を止めて皿へ移す。温めたソースをかけてパスタを完成させる。その後、冷蔵庫にあるトマトを切って千夏に声をかける。

「できたよ。持ってて。」

「はーい。」千夏がキッチンへ来る。トマトを盛りつけた皿とフォークを渡す。私は2つのパスタの皿を持って食卓へ。食卓に料理が並んだところで私たちは、

「「いただきます」」

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