バラ事件、その後僕らは

サクニジ

第1話 バラ事件

2007年、3月3日。その日は、ひな祭りの日。女の子がいる家庭ではおひな様たちをお雛壇に飾る。小学校では、学年ごとに甘酒が回された。そんな日本中が祝う大切な一日。そんな日に事件は起こった。市内の13人の子供達が一斉にさらわれた。男の子も女の子もいた。年齢も下が7歳で上が17歳と10も離れていた。犯人は未だに捕まっていない。


「速報です。今朝、10年前に起こった、バラ事件の容疑者が逮捕されました。警察関係者によると、容疑者の竹中大輔、29歳は10年前、市内中の13人の少年少女の誘拐をし、田中望ちゃん当時7歳と竹橋尚人くん当時10歳を殺害した容疑での逮捕という事です。繰り返します。バラ事件の容疑者が逮捕されました。」


「望、ようやく犯人が捕まったよ。長かったね。。。圭介はもう昨日で17歳だよ。望もそうなるはずだったのにね。。。ごめんね。。お母さんあのときに限ってお迎えに行けなくって。。」


母さんの日課になっている、姉貴への報告も新しい情報と、いつも通りの謝罪とが混じっていた。あの日、俺は熱を出して学校に行けなかった。それだけで、死ぬ事は無かった。たぶん、そう言う事なんだと思う。


「母さん、今日、竹橋の家に行ってくる。尚人君にも会いたいし。」

「そう、でも早く帰って来てね。」

「わかってる。じゃあ、いってきます。」



これが壮絶な日々の始まりだなんて思いもしなかった。

母さんの精神が壊れてしまい、竹橋のおばさんもダメになってしまう。嘘だらけの今日の発表がきっかけで俺は全てを調べる事になった。

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