第10話「旧時代の(待つ)という心」


連絡が来るはず(かも)の電話待ち

既読がされるはず(かも)のLINE待ち

僕はまだ、メールだったりする


本当に連絡が欲しい相手から、待っている時間

              待たされる時間


自分が置き去りにされているように感じる心の間


部屋の カーテンを閉めた 暗い パソコンの光


心に灯るはず(かも)だった、連絡




本当に欲しい相手から、本当に欲しい言葉を得られたら


それ以上の幸せはないのかもしれない




掛けてくれるはずの連絡


掛けてくれると嬉しい連絡


掛けてくれると、掛けてくれたら、それだけで報われる心の間





或る壁があって 


それ以上の回答もなく


どこか醒めた


どこか突き放した


他人事の出来事として


自分の心を置き去りにされている






寒い時期になりました

外には雪も見えています

部屋の窓からは電柱の街灯が

限られた範囲を照らす

その優しさのような

降ってくる雪に

目もとがゆるむ







見えてきた心には、冷たい何かを感じて


ますます冬が進みだす





旧時代の連絡方法 

あれは、辛いよ



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る