第4話「過去をえぐる」


“人生で一番、辛い時期の記憶を誰かに話すこと”ーその目的と真意ー






とても大切な人の理解を得ようとするとき

自分の過去について、自信をお持ちだろうか?

語るほどの、過去があるだろうか?

それは、別として。

果たして、自分の弱さは

相手にとってのただの負担になるのだろうか?


重荷を与えたいわけではなく、分かち合いたいことなのかも分からず、

思いの丈のように、自分の心の中の取っ掛かりだったことを打ち明ける。

それで、何が変わるだろうか?

「大変だったね」と、背中をさするような言葉が得られたら、

心の中は解けて、過去からの断ち切りが出来るだろうか?


それより、大切な人に

君は、何を求める?



愛のある形

パートナーとは?


自分のエゴの先にある、他者。


もう、すべてを人に手渡して、

手元には残っていないと思っていた自分が作った本

何となく、クローゼットに見つけた紙袋に入っている気がして、

袋の中を探してみたら、出てきた。


失ったと思っていたはずの自分の片割れの本。


もう一度、誰かに、それも自分が大切に思う人に、手渡して

その反応が見たい


痛い目を見るのか


僕への理解を得られないのか


僕の心を拾ってくれるだろうか?




明日、手渡してみよう


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