人生最後に見る君

Re:over

プロローグ


 今、新しい命が誕生した。彼は啓太(けいた)と名付けられ、両親からとても愛されている。それと同時に啓太は持病のような物を持っていた。つい最近発見されたのだが、幼児の頃に脳が異常発達するというものだ。


 異常発達するだけでなく、記憶力も並み以上だし精神年齢も小学校高学年の時点で中学校2,3年生レベルの考え方をする。ただし、この脳の発達は歳をとるにつれて遅くなり、やがて止まるのだ。


 この『異常発達』の原因を含めた概要は一切分かっていない。その病気を持つ人の割合はそこまで低くない。啓太は持病のことを知らず、両親はそのことを言わなかった。その理由は両親しか知らない。


 3人暮らしで経済的に安定はしていないものの、幸せな生活を送れていた。啓太が小学校2年生になるまでは。

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