最終話 10年後

朝4時の真っ暗な中、ハナコは走っていた。

少女がベンチにうつむいている。

「おはよー」

無言の少女にハナコは手を振って明るく挨拶する。

「不良少女気取るなよー!あんたは本当はいい子なんだから!」

「フン」

少女はベンチにふて寝する。

「なんなら、うちのジム、来ない?楽しいよ!」

「はー?なんで私が?」


少女はハナコに引きずられて、ジムに行く。

「コーチ!体験入学だよ!」

「OKハニー」

「ジムではその呼び方やめて」


正月谷ジム、

そこは行き場のない若者の駆け込み寺になっている。

そこにボクシング日本チャンピオンの正月谷ハナコとそのハナコを育てたコーチがいる。そして2人の子供達もボクサーを目指している。



どんなに夜の闇が真っ黒に見えても、上を見上げれば、満天の星が輝いている。

距離は遠くても、その光は未来を照らしている。

だから、未来は明るい。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪魔の証明 蓮見総司 @greenhappy

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る