第9話最後の試合

ファイトクラブ、最後の試合日がやってきた。

ヒトミも、ハナコも無言でバンデージを巻き、試合に臨んだ。


入場曲が流れ、2人が入場するが、今までとは反応が逆だった。


ヒトミのときは無言。

ハナコの時は歓声が上がった。


「みんな〜、こんにちはー。幸せいっぱいのヒトミンだよー今日はね、お知らせがあるの!なんと私、コーチの子供を妊娠したのー!」


「嘘つけ!この淫乱女‼︎」


ヒトミを殴ったのは、誰でもない、コーチだった。


「こいつの子は俺の子じゃない!俺はソイツとやってない!」

「でも、あの時」

「詳しくは後で話す。とにかく、コイツを倒せ!」

「はい」


コーチがリングから出て、ゴングが鳴る。


ハナコはパン、パンと二回グラブを叩き、ヒトミの周りをぐるりと回った。

ヒトミはえーい!と言い、ハナコの胸を狙って叩こうとするが、甲でガードする。

続けざまにパンチを打つが全てガードする。

ヒトミがえ?なんで?という顔をした。

まず、肩をパン!と軽く叩く。

その後、頰を左右に三回叩き、アッパーをかまし、右ストレートを力一杯食らわした時、ヒトミは泡を吹いて倒れた。


初めて、ハナコが勝った。



ハナコはその場に膝をつき、上を向いて雄叫びを上げた。



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