第8話真実

「もう、悪役を演じなくていいんだよ。ハナコ」

「お父さん」

「ど、どういうことよ?わけわかんない!なにそれ!」

ヒトミはハナコに摑みかかるがハナコはそれをかわし、後ろに回って腕を押さえた。

「ヒトミ、落ち着いて。お腹の子にさわる。」

「離して!触らないで!」

「ヒトミくん落ち着いて。まず、このファイトクラブができた理由を話そうか」

「あたしをアイドルにするためでしょ?」

馬鹿か。

「ハナコのおじいちゃんが市議会議長ということは知っているね?」

「は?」

「このファイトクラブができたのは、ハナコを悪者にして、おじいちゃんの政治をやりやすくするため。つまり、ハナコが負けるための劇場だったんだよ」


「言ってる事の意味がわからないんだけど」

「お客さんを見なかったのか?皆、市役所や公共の施設の職員、調査をしに来た他県や他市の役員たちだぞ?」


「おじいちゃんへの不満を和らげるために、このファイトクラブはできたんだ。」

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