田中、木村、後藤。そして・・

弓弦

すき焼きの名は。

タマゴかけご飯についての異論の後。


田中「なあ、すき焼きってさ。こう、あれじゃねえの?」

後藤「ん?」

木村「ああ、割り下わりしたね。俺は関西風の、醤油と砂糖で甘辛く味付けして・・焼肉?みたいな感じで、最初に美味しい肉を頬張って、その後野菜、ビールで味付けを追加していくのが好きなんだ。」

田中「ああ、なるほど。」

後藤「さすがは転勤族?か。割り下だと煮込むだけ、みたいな所があるからな。」

木村「で、最後はうどんで〆、なんだけど・・今日は美味いお米があるしなあ。」

田中「そうだ。メシ!何合炊けてたんだ?」

後藤「そうだな。流石に3人だから5合、と思ったんだけど・・」

木村「一人暮らしなんだから、3合しか炊けないんだよ。これでも多いほうだと思うぞ?」

田中「そりゃそうだ。」

後藤「まあな。で、研いである?」

木村「いや、そこまでは・・」

後藤「まあ・・仕方ナシ、だな。」

田中「じゃあさ。この鶏肉余らせて、炊き込みご飯TKGやらね?」

木村「いいね!」

後藤「ナイスアイデアだ!」

木村「じゃあ、俺。米研いでくる!」

田中「任せた!」

後藤「俺も手伝いに行くよ。」

木村「頼むぜ!」

田中「じゃあ・・俺、この鍋見張ってるから。」


十数分後・・・・



木村「あのさ。」

後藤「いやまあ、その。声くらいは。」


田中「ああ。その。スマン。こういうすき焼きって初めてでさ。」


鍋の中身の大半がコゲていた・・・・・




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

田中、木村、後藤。そして・・ 弓弦 @isle-of-islay

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ