紹介作品の例) 後の祭りで、会いましょう
どういった文章でご紹介するのかという例として、自らの作品を使うことには、恥ずかしさと抵抗を感じます。
けれども、企画前に勝手に他の方の作品を紹介するわけにもいきませんし、正直宣伝も兼ねているので(書かなくてもいい思惑)紹介文の一例として、拙作『後の祭りで、会いましょう』はこんな話ですよーって紹介致します。
演出として、本文には出てこなかった言葉や、本文からの引用もあるかもしれません。
紹介が目的なので、目標としてはおもしろそう!って思ってもらえればよいのです。
テーマは「後悔」と「青春のその後」です。
大体こんな感じのテンションで紹介しますよという一例。
どうぞ。
高校を卒業してもう七年。
そんな中。
「姉が、いなくなりました」
いつも喧嘩し、何度もディスりあい、青春を共に過ごした
いなくなったらしい。
放ったらかしにした青春の残滓が
まるで夏休みの宿題のように
迫っているような気がしたんだ。
高校時代の友人、
「高校の同級生と、半年後結婚するんでよろしく」
マジで?
「僕はね、主人公になりたかったんだ」
「でも僕は結果的に最高のパートナーと一緒になれたんだ。
それで、真中明大はこれからのことを、どうしていきたいのかな?」
松澤友樹は後悔を抱えながらも
あの頃より何倍も
大人になっていた。
元中二病だった後輩、
青春の残骸を、大事に大事に抱えながら。
「優しいだけなんて、先輩らしくないですね」
「私はこれでも、楽しかったですよ。好きなだけ妄想を押し付けられる存在が、身近にいましたからね」
「もちろんめちゃくちゃ後悔してますよ。それでも、目を背けたくなる思い出があるから、今の自分がいるのです」
「なんでこの歳になってこんな生き恥を晒さなければいけないんですかー」
結局は後悔を重ねながらも
時に潰れそうになっても
絵衣美は今を生きていた。
幼馴染の先輩、
心残りを消し去るため、彼を前に進めるため。
「次、何飲む? 水? 却下」
「四十秒で支度しな」
幼馴染は、当たり前に関わり続けていくものだと
思っていた。
「捻くれてて危なっかしくて、悪意や疑念に満ちている。そんなめんどくさい明大くんだから、今まで関係が続いたんだろうなってこと
でも、でもね」
正音の、大きく、柔らかな、印象の、瞳が
揺れる。
「もうすぐ、お別れだ」
そして。
「あの時の決着は、まだついてないよ」
様々な人生には様々な後悔があって。
ヤンキー先輩は、カフェラテ先輩は、アルコールジジイは。
どんな後悔を抱えているのだろう。
青春の一欠片。抱える後悔の残り物。
水崎千夏の妹、
「姉が明大さんにいっていた言葉は、呪詛のようでしたけどね」
「姉は、もう三回も仕事を辞めています」
「あの日こなかった明大なんて
死んでしまうべきです。
姉は、そう言ってました」
ああこれは、
クソ野郎への断罪か。
そして、水崎千夏は……
最後に見た卒業式の背中は
一体どこに消えてしまったのだろう?
青春ってなんだろう。
すべてが眩しく尊いような日々。
今よりもちょっと子供で、
今よりもちょっと世界が輝いていた。
何もかもが懐かしいけれど。
もう終わってしまったこと。
そう、すべては
後の祭りだ。
タイムアタックかくれんぼって知ってるか?
このクソアマああああ
自分で律し、自力で立つ。それが大人というものだろう。
違いますよバーカ。お死ねください。
マメくんのくせに、生意気だ。
二十代後半のブレザー姿って恥ずかしくないんですか気持ち悪い。
うるせえ。お互い様だ。
俺にとっての水崎千夏は
ちょっとばかり特別で
嫌いだ。
明大は
やっぱり私を
助けてはくれないのですね。
これは、終わった青春の続き
後悔を抱えた物語の蛇足。
すべての青春と後悔を抱えた者に捧ぐ
終わった後の青春物語だ。
魔法は使えない。異世界には行かない。特別なんて何もない俺たちの青春を終わらせるお話の顛末。
再会の果てに、ロマンチックな空気なんて微塵もありはしない。
意地とプライドを掲げた。
ただの間接的な殴り合いだ。
俺は叫ぶ。
千夏は叫ぶ。
万感の思いを押し込めて。
正しくなかった青春を、
決して正しくなく終わらせるために。
「青春の、バカヤロウ」
後の祭りで、会いましょう
あなたの青春は、正しく終われましたか?
大体こんな感じのテンションでいきます。
そしてながっ!
自分の作品ですので、ここまで細部のセリフまで触れていますが、徐々に演出も上手くなっていければと思います。
きっと、うん。人は成長する生き物です。
そしてこれを書き上げてしまって、私は恐ろしくなってきました。
だって紹介文がこの自分の作品アッピールよりも明らかに手抜きだったら、結局てめえの作品を宣伝してるだけじゃねーかと、至極ごもっともなお叱りを受けるでしょう。
ああ怖い……。
まあでもやるんですがね。
私の、色々な方々への作品に対する愛が試されます。
こうご期待(しすぎないで)ください。
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