世界に一つだけのウンバボ


そんなこんなで担がれ運ばれて着いた先はマサイの集落だった。


元?酋長(現?マヒロ)が私に挨拶をしろと、ジェスチャーで訴えたので。


とりあえずマサイ族が囲む真ん中に仁王立ちで1つ咳払いをし、持たされた槍を振り上げて一言。


「ウンバボー!」


と第一声をあげてみた。


するとマサイの皆の衆も揃って槍を掲げ上げ、


「「「「ウンバボー!!!!」」」」


と応えたのだ。


…あ、良く見たら子供まで両手上げてウンバボしてくれてた。


非常に嬉しい。


皆が一つになった瞬間だった。


この感動を今すぐあの人に伝えたい。


そう、マサイをバカにした川添とか言う人に。


でも待てよ?


今この一瞬の幸せーな感じをもう少しだけ独り占めしたい自分もいる…


………


川添は後で良いか。


一応先輩だけど。



…と言うことで、一旦川添さんの存在を無視する事に決めた私。


人でなし?


いや、マサイなしよりかは良いだろう。


許せ、川添よ。


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