第30話 吉報を待つ中、また驚きが。
とにかく吉報を待つのみという中、週が明けて、先に訪問した特養の見解書を依頼していた、老健のケアーマネージャーさんから電話がはいりました。
ケアーマネージャーさんが言うには「特養に入所決まって良かったですね」と言うのです。
私が「いや、まだ決定とは連絡来てないのですが」というと、「担当の方が、状況確認に来られて、入所決まってると言ってましたよ」と言うのです。
よして「先の特養への書類送付はもういいですね」というので、「わかりました、いいです、お世話になりました」と言って電話を切りました。
何かよく分からなくなってきたのですが、とにかく連絡来るであろうと、待つことにしました。
しかし連絡は入りませんでした。
そして年内最終日と言っていた26日となりました。
どっちにしても、年明けの話だろうと思っていると、施設から電話がはいりました。
担当の女性の方でした。
そしてその方は「何時ごろこられますか」というので私はどういうことかわからず、「え、えっと」ととまどうと、続いて「お母さんもう移動しているので」というのです。
さらに私は半分パニック状態となりましたが、結局冷静に話を聞くと、先方は、26日入所で決定し、進めていくと言っていたのを、私は勝手に、事前手続きや、連絡があると思っていたので、その辺の解釈の違いでした。
いずれにせよ、おかんがこの特養さんに入所できたという事実は喜ばしいことですので、あーだこーだいうことは何もなく、「私の思い違いですいません、仕事の都合がつき次第すぐに伺います」と言って電話を切りました。
もし妻と連絡取れればと思い、電話しましたが、つながりませんでした。
仕方なく、急いで仕事の切りを付け、施設へ向かいました。
施設に到着し、担当者の方も「こちらの説明不足ですいません」というので、改めて「私の理解不足でご迷惑おかけしました」とあいさつし、入所の契約と説明を受けました。
老健と決定的に違う事は、基本的にこの施設に終身入所で、看取りまでしてくれる事です。
また、身の回りの世話など、ほぼ家族がする必要がないことです。
決まった服装もなく、家できていた普段着を持ってきてくださいとのことでした。
翌々日より年末休暇となる為、衣服を準備することにし、一通り手続きを済ませ、おかんの部屋へ顔を見に行きました。
ちょっと嫌な予感はしておりました。
おかんにしては、何か理解できず、移動したあとは、精神的に不安定になるからです。
予感は的中しました。
最初から目つきが違いました。
私を見るなり「お金置いて行け」といいました。
私が「お金もってないね」というと声を荒げ「わしの年金あるはずや、お前とったんか」というのです。
これはあかんと思い、「また来るわ」と言って、その場をはなれました。
職員の方に「調子悪そうなので、これで帰ります」というと、小さくうなずいていました。
そして車に乗ったのですが、正に天国から地獄状態で、せっかく苦労して、特養にはいれたのに、親から泥棒呼ばわれかとしばらく動けませんでした。
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