第8話 退院後のこと
入院の案内の中に書かれていたのですが、医療費が高額になる可能性がある為、上限額申請をするようにとありました。
所得に応じて、医療費の1ヶ月ごとの窓口での支払額の上限が設定されるものです。
後期高齢者で1割負担とはいえ、場合によってはかなりの金額になります。
しかしおかんは、兄と二人で、おかんの年金のみで生活している為、非課税世帯となり、ほぼ最低設定金額となるようで、盆休みがあけ、早々に市役所へ手続きにいきました。
市役所は職場に近く、昼休みを利用して行くことができたので、この辺は助かりました。
申請自体は簡単で、申請用紙におかんの情報を記入するだけで、親族であれば委任状も不要ですし、事前に通帳が必要と聞いていたので、不備なく済みました。
通帳はある程度預金があれば、認定も変わるようです。
また、非課税世帯の確認も役所ですので、その場ですぐに確認を取ってもらえます
おかんの場合は、上限額が15000円となるようです。
他、食費も最低基準となります。
正直、経済的に余裕のない私は、おかんの年金で入院費を工面するしかなく、取り敢えず何とかなるのかなと、ほっとしました。
役所絡みの申請は、なんでも1ヶ月はかかると言うイメージを持っていたのですが
さすがにこの手のものは、対応が早いようで、1週間ほどで認定証が届きました。
それから数日たち、病院から呼び出しがありました。
時間は、医師の都合に合わせなければならず、中途半端に午前だと、1日休みを取らざるを得ないので、午後の時間帯にしてもらいました。
医師の説明は、食事をあまりとらない為、念のため、胃に障害がないか確認したいので胃カメラ検査をしたいとのことであった。
この状態で行えるかわからないが、無理そうであれば中止するとのことでした。
また、医師から退院後はどうする予定かを問われました。
「こんな状態で退院後の話も無いのでは」とも思いつつ、妻とも話しして決めていた、「介護施設に入れるつもりです」と答えました。
まさか元の実家に戻すわけに行かず、かと言って私達が引き取って面倒を見れる余裕がなく、妻とも割り切ってそのように決めておりました。
医師も「その方が良いでしょう、そしてこのまま食事が取れなければ、胃瘻せざるを得ない」と言いました。
つまり、胃に管を付けて、直接送り込む方法です。
さらに医師は、「食事を取りにくい場合、胃瘻してある方が、介護もし易いので、入所に優位になる」ということでした。
最後に、施設のことは、地域連携室のケアーマネージャーに相談してくださいとのことでした。
早速、室を訪ねました。
少し時間を置いて来てとのことで、再度訪ね、ケアーマネージャーさんと面談しました。
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