本当は告げたい
海坊主
雨のち雨
だから
寂しくなかったのだと
わかっています
だから
静かすぎる夜も
目を閉じれば
眠れたのだと
眠れなくなって
はじめて
この身体が
削れていることに
気がついたのです
気まぐれな言葉に
どこかチグハグな音
変わり始めた形が
怖いのです
別れにも似た
雨の匂いは
気のせいだと
どうか
言ってください
雨がもう
ずっと降っています
いつか
私は消えてしまうのですか
あなたの中から
許されないのに
求めてしまう
それでも
待ってしまうのは
青空を知っているからです
手探りで
掴もうとしても
服の裾さえ
届かない
冷たくしないで
もう十分寒いのです
距離を置かないで
もう十分遠いのです
傘のないまま
歩きましょうか
だから
寂しくなかった
怖くなかった
ずっとずっと
それだけでいいのに
あなたは私に
何かを求めているのですか
私は応えられないから
置き去りにされるのですか
どうして?
あなたより私の方が
こんなに求めているのに
そうですね
すべては私のせいです
思いっきり泣いてしまえば
疲れて眠れるでしょうか
不安の前では
思考が途切れて
何も考えられない
もうすぐ
私はいなくなるのでしょうか
その胸の中から
追い出され
閉め出され
過去になるのでしょうか
削れた身体が
干上がった心のままに
ぽろぽろ
アスファルトにこぼれました
もう以前の空を
思い出せないのです
愚かしい雨の様に
何度も何度も
降り続いては
疎まれることを恐れて
雲を無理矢理
かき裂いた
青空などどこにもないのに
あなたは私を忘れ
私は忘れられない
だから
思い出が
身体を溶かしていく
私の大切な青空よ
雨がやまないのです
やまないのです
ずっと
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