私は何?貴方は何?

クウ

第1話

" 私達人類は地球という星を生活の基盤としながらこの広い宇宙の中に存在してきた。故に地球人と呼ばれる。古代より文明を見出し成長を続けた地球人は、21世紀末にしてようやく地球外生命との対面を果たす。地球人にとって初めての外生命は貿易対象となり、また同盟対象であった。この同盟は外生命の名に因んでデメテル同盟とされた。"


歴史の授業のデータベースにはこんな文章がたらたらと語られていた。

「一般人が実際に外生命と会う機会なんてどうせ無えんだからよ」

小言を呟きながらヴィクトリア社の量子タブレットをタップしクラスメイトにメッセージを送る。1分ほどして受信メッセージの表示。


"授業中にメッセージを送ってこないで!!あと今日はこの後お父さんと一緒に訓練だから、また明日よノクト"


毎度同じような返答ばかり、幼馴染に対する慣れすぎた代償だ。ナターシャは正直言って可愛げのある女の子ではない、言うならば男に喧嘩をふっかけられて返り討ちにしてしまうタイプ。

「もう少しおしとやかにならんもんかね〜」

思わず独り言が漏れる。と同時に授業の終了アラームが鳴り響く。生徒がそれぞれに量子タブレットの小型端末をポケットやら鞄やらに片付ける。

「おい!ナターシャ!俺も訓練ついてくぞ」

ナターシャが不安な顔で言葉を返す。

「ノクト何言ってるの、あんただって…」

「まあまあ、見せたいもんがあるんだ。お前の親父さんにもな。」

…そうつい最近だ、母さんが怒って水魔法を使った時。その時に気づいたんだ…


to be continued

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