キミに会いたい

白光青龍

プロローグ

出会いは中学3年生春。入学式、転校生としてうちの学校に転校してきたあなたに私は一目惚れ。今まで信じてこなかった一目惚れという言葉。そしてこの日私は恋を知った。

 

それからは君に振り向いてもらいたくてたくさん君と話した。修学旅行も同じ班になった。君の好きな歌とか、好きな色、好きなスポーツ、誕生日に血液型。君のことを一つ知るたびに胸が高まった。共通点を見つけると自然に顔がほころび、嬉しくなった。

 

でも、ある時私は知ってしまった。君の好きな人は私の親友だってこと。あの時の事はよく覚えていない。たくさん泣いたってことだけは覚えてる。次の日は学校を休んだことも覚えてる。でも、そのほかの事は覚えてない。


別れは突然。中学校3年生冬。君は理由も知らせず転校していった。先生も何も教えてくれなかった。私はその時思った。こんなことなら告白しておけばよかった。もう二度と会えないかもしれないのに。けれどこんなことを思ったって君は帰ってくるわけなかった。


君の好きなところを挙げたらきりがない。大きな手、がっしりした肩、低くて聞いていると安心してくる声。他にも、筆箱忘れたときにシャーペン貸してくれるやさしさとか、修学旅行のバスで車酔いしたときに、「大丈夫?」と声をかけてくれるさりげなさ。まだまだたくさんある。


君は今どこでなにをしているんだろう。キミに会いたい。会って話がしたい。楽しかったこと。悲しかったこと。担任の先生の愚痴。もっとある。君は今どこにいるの?

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