虚無である

身体から骨

バラバラの遺骨

どこの骨だか知らぬが説明する係員

対して分かったところで何が変わるかも分からず

ただただ骨を見ていた

ただただ死んだと認識し

毎回、頼まれていた見積書の代行もなくなって

私は「自由」になった

呼び出されることもない、ご飯の準備もしなくていい

簡易な食事を買ってくることもない

痛い痛いと嘆く声も聞こえない

最後の声が「コーラ」だなんて、あんまりではないか

廻りに巡って善悪を決めたとしても後の祭りなのだ

今すべきことは未来の話

遺骨

納骨

解体

処分

関わりたくないと思っていたのに

私は関わっている、関わっているからしなければならない

世の中はままならない。ままならないから後悔する

あの時、無理やりにでも病院に連れて行けばよかった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る