檻
初めて見た庭はとても美しい
瑞々しい緑と私の顔を映す池
それでも先が気になって
塀の外を見てみたわ
なんてこともないコンクリート
道の先には遮断機が
左右を見たら駅がある
いくらまっても降りてこないから
線路を越えて横断歩道までやってきた
左右を見ても何もない
だから白いところだけ踏んで渡ったわ
今度は大きい防波堤
その先を見たくてよじ登ってみた
ああ、そこは大海原
きらめく水面、鏡面の海
分かる、この大きな池は陽によって顔を変え
毎日目まぐるしく変わり続けることを
だから知っている
この池には私の顔を映さないことを
だから帰るわ、私の家に
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